トリリンガルとは? 脳内の仕組み・英語の次に選ぶおすすめ言語とは!?

はじめに

今回はトリリンガルとは?というテーマでブログを書いていきます。トリリンガルの言葉の定義や脳内の仕組みを紹介していきます。英語の次に学ぶおすすめの言語も考えていきます。トリリンガルになるに母国語が大切で、認知・学習言語能力を鍛えないとセミリンガルになる恐れもあります。多言語に興味がる方は、ぜひ読んでみてください。

 

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参考文献

 

「ことばの習得」

 

 

「外国語学習に潜む 意識と無意識」

 

「第2言語ユーザのことばと心」

 

トリリンガルとは?

トリリンガルとは

トリリンガルの定義

トリリンガル(trilingual)とは、三言語話者の人を指す言葉です。バイリンガルは二言語話者を指し、その次は3ヶ国語を話す人でトリリンガルとなります。言語の数が増えると、バイ(2)トリ(3)クワド(4)と変化します。リンガルはlingua(言葉)と、-al(性質)という言葉が一緒になった言葉です。数字の1、2、3であればonetwothreeとなりそうですが、バイ(bi)、トリ(tri)、クワド(quadr)はそれぞれラテン語の数字に由来しています。

 

1 uni unique(ただ一つの)
2 bi bicycle(自転車)
3 tri triangle(三角形)
4 quadr quarter(1/4)
5 quinqu quintet(五重奏)
複数 multi multicultural(多言語)

 

トリリンガルの脳内・脳の仕組みとは?

トリリンガルの脳内はどうなっているのでしょうか。一昔前の理解では、頭の中に別々に働く複数の言語脳を持っていると考えられていましたが、現在は一つの「2ヶ国語脳」、「3ヶ国語脳」、「4ヶ国語」をもっていると考えられています。

 

二言語共有説

引用:Teaching for Cross-Language Transfer in Dual Language Education: Possibilities and Pitfalls Jim Cummins,2005

 

上記のモデルは、カミンズ氏が主張した「二言語共有説」です。第一言語第二言語の間には共有できるCommon Underlying proficiencyCUP)があるとする考えです。第一言語能力(母国語)と第二言語は分かれているのではなく、一つの言語脳から生成されていると考えます。

 

トリリンガルの次は?

3ヶ国語話者のトリリンガル(trilingual)の次は、 4ヶ国語話者のクワドリンガル(quadrilingual)になりますが、4ヶ国語話者になるには相当な努力と時間が必要になります。後述しますが、しっかりとした母国語の力がないとセミリンガルになる危険もありますし、安易に学習言語を増やしてしまうと中途半端になってしまいます。

  

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トリリンガルになるには?

トリリンガルになるには

母国語の学習

第二外国語母語に与える影響は前述したカミンズ氏が立証してきました。特に幼少期に年齢に応じた母語教育を受けることが重要になります。特定の時期を逃してしまうと、大人になってから再学習するのが難しくなります。

 

母国語の確立

引用:ベネッセ教育総合研究所母語以外の言葉を子どもが学ぶ意義

 

上記の図によれば、話し言葉の形成は一般的に4〜6才ぐらいで、2~3才ぐらいの時期に母国語の文化も形成されます。セミリンガルを防ぐには幼児期に母国語の形成を促す環境を整えることが重要です。

 

認知・学習言語能力を鍛える

カミンズ氏は、言語能力を日常の場面に密着した(context-embedded)言語使用が特徴Basic Interpersonal Communicative Skills(BICS)と学問的な思考をするときに必要な言語能力のCognitive Academic Language Proficiency(CALP)2 つに分類しました。

 

  BICS CALP
特徴 具体的・インフォーマル 抽象的・フォーマル
語彙数 3,000語以下 100,000語以上
文章の特徴 短くてシンプル 長くて複雑
コミュニケーションの形式 文脈重視 非文脈下
能力形成までの時間 1〜3年 5〜10年以上

引用:2livnlearnAre You Judging Your English Learners on Their BICS Instead of    Looking for CALP? を参考に筆者が作成

 

第一言語にしっかりと時間をかけてCognitive Academic Language Proficiency(CALP)を形成させないと、抽象的な思考ができなくなります。第一言語が不十分のまま、バイリンガルトリリンガルと言語習得をしようとしても、気心が知れた人との会話(文脈重視)のコミュニケーションしかできなくなってしまいます。

 

BICSとCALP

引用:bestofbilash|BICS/CALP:Basic Interpersonal Communicative Skills vs. Cognitive Academic Language Proficiency

  

母語からの干渉を意識

私達は第二言語を習得する際に、母国語に少なからず影響を受けます。母語の特性が第二言語習得の妨げになっている場合は、母語からの負の移転(negative transfer)が働いているとか、母語からの干渉(interference)が起こっていると言われています。

 

母語干渉の例(負の移転)

  • Teach=教えるの図式を行き先を教えるにも適用※正しくはtell(語彙レベル)
  • スマート=ほっそりの図式を英語に適用(外来語)
  • I was cried by my girlfriend(被害受け身)※彼女に泣かれたとは表現できない

 

負の移転(negative transfer)に対して、実は正の移転(positive transfer)もあります。例えば日本語の所有格の知識が、英語のTom's(トムの)の理解を速めていると言われています。「トムの本」と「Tom's book」が統語的に類似しているので、正の移転が発生すると言われています。

 

言語間の距離

引用:エースプロについての資料

 

正の移転が多いのか、負の移転が多いのかは実は言語間の距離に関わっています。日本語と文法規則などが大きく異なる言語は距離が遠くなりますし、統語論的に類似している言語の距離は近くなります。

 

母語の干渉

同一言語同一環境を守る

家庭内でバイリンガルキッズを育てるためには「One person, one Language」を守るべきだと言われています。例えば、母親は日本語を話し、父親は英語を話すように誰がどの言語を使うのか明確にすることです。メルボルンで行われた研究では、母親が一貫して日本語を使用した環境で育った子供は、その後も流暢に日本語の力を伸ばすことがえきたと報告されています。

 

www.researchgate.net

 

同一言語同一環境を守ることは、大人の学習者にも有効です。2015年にドイツで実施された研究では、同じ出来事を目撃しても使用する言語によって見え方が異なるという結果も出ています。Schumannは、1978年に文化変容モデル(Acculturation model)を提唱し、第二言語習得には心理的距離を縮めることが大切だと主張していました。

 

同一人物、同一言語

もし、複数の言語を適当に使用していると脳が混乱するだけではなく、対象の物や人に対して心理的距離を縮めることができなくなります。ターゲット言語のモチベーションを上げるためにも、同一言語同一環境を守ることが大切です。

英語の次に学ぶ言語は?

英語の次に学ぶ言語

中国語

中国語は、下記のブログでも紹介しましたがおすすめの言語です。2020年の話者数は英語に続いて2番目に多い数で、国連の6つの公用語(他は英語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語) の一つでもあります。言語パワーもかなり高く、おすすめの言語です。詳しい指標を知りたい方は下記のブログをチェックしてみてください。

 

www.sunafuki.com

 

国語学習における正の移転は、間違いなく漢字になるでしょう。長城学院によれば、中国常用漢字2500字の内、日本語と全く同じ漢字が約1683字があるようです。語彙を覚える負担がかなり下がります。

 

www.chojogakuin.com

 

一方で、負の移転は日本語の文字表記や句読点をそのまま中国語にも応用してしまうことや、中国語の漢字を日本語の意味で理解してしまうことなどが挙げられます。後者の例は、中国語の「安心」は「気持ちが落ち着いている」という 意味で使われますが、「心配しなくてもよい」と言いたい場合は 基本的に「放心」という中国語が該当します。同じ漢字でも意味が異なる漢字があるので、注意する必要があります。

 

負の移転の例

  • 日本語の文字表記をそのまま用いる。
  • 句読点を日本語の習慣に従ってつける。
  • 中国語にない表現をそのまま日本語から導入する。
  • 中国語にあるが、日本語の意味や使い方で使用する。
  • 日本語の表現を翻訳の過程を経て使用する。
  • 日本語の構文で文を作ることによる文法成分の欠如
  • 不必要な成分の生成
  • 日本語の語順
  • 前後関係や接続の問題
  • 文章構成の問題

引用:目標言語から母語への逆向転移の実例日本語から中国語へ

 

スペイン語

スペイン語は国連の6つの公用語(他は英語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語) の一つで世界的に重要な言語の一つです。スペインだけではなく、中央アメリカ・南アメリカの地域で公用語とされているのも魅力です。

 

www.sunafuki.com

 

スペイン語の母音は「a/e/i/o/u」の5つの母音で、日本語とほとんど同じです。「a/e/o」が強母音、「i/u」が弱母音という区別はありますが、発音は日本語の知識をあてはめる要素が多いです。また、主語が省略されやすいのは日本語と統語論的には似通っている部分です。

 

韓国語 

韓国語は日本人にとって学びやすい言語だと言われています。ディラ国際語学アカデミーの調査によると、韓国語は比較的易しい言語に区分けされています。

 

易しい言語

引用:ディラ国際語学アカデミー

 

ちなみに、なぜ韓国語は日本人にとって易しいのでしょうか。実は、日本語も韓国語も「が」や「は」などを接着剤のようにくっつけて文章を組み立てる膠着語です。

日本語と韓国語

語順も基本的に同じなので、ハングルの読み方と語彙を覚えることができれば、比較的短時間で韓国語を習得できるようになります。

 

トリリンガル芸能人・Youtuber

トリリンガルyoutuber

トリリンガルのトミ【韓国語講座】(日・韓・英)

トミさんは、日本語、英語、韓国語を話すトリリンガルです。韓国には10年、アメリカには5年、カナダには1年在住したことがあるようです。母国語は日本語ですが、韓国語はネイティブレベル、英語はビジネス英語を操ることができます。現在は鹿児島県で韓国語と英語の語学教室を運営しているようです。Youtubeチャンネルでは、韓国語をはじめから丁寧の教えています。

 

www.youtube.com

 

李姉妹ch(日・中・英)

「李姉妹ch」とは、姉のゆんちゃんと妹のしーちゃんの中国人姉妹が中国語のよく使う表現、聞き流しの音声、中国語を勉強する上でオススメのドラマや曲、おすすめのアプリなどを紹介するyoutubeチャンネルです。姉のゆんちゃんは、中国語・日本語・英語を話すトリリンガルで、妹のゆんちゃんは日本語と中国語を話します。インフルエンサーとしても活躍して、本の出版などもしています。

 

www.youtube.com

 

MOMO CHAPELA 【ももチャペ】(西・日・英)

ももさんは、スペイン語・日本語・英語を話すトリリンガルです。メキシコで生まれましたが、アメリカやノルウェーでも教育を受けています。ヨーロッパのバレエ団でダンサーとしても活躍していたようです。ももチャペでは、スペイン語の学習やメキシコ文化について学ぶことができます。

 

www.youtube.com

 

参考

ベネッセ教育総合研究所| 母語以外の言葉を子どもが学ぶ意義

2livnlearn|Are You Judging Your English Learners on Their BICS Instead of Looking for CALP?

bestofbilash|BICS/CALP:Basic Interpersonal Communicative Skills vs. Cognitive Academic Language Proficiency

ACE | エースプロについて

Researchgate | The Japanese Language Development of Children through the ‘One Parent–One Language’ Approach in Melbourne

Researchgate | Two Languages, Two Minds

長城学院 | 学習方法

英語・中国語教育センター  目標言語から母語への逆向転移の実例日本語から中国語へ

ディラ国際語学アカデミー  |  学びやすい外国語、難しい外国語