元国語教師が「言語」と「英語」を考えるブログ

「言葉」との向き合い方、 英語学習、スペイン語、中国語、マーケティング、ポジティブ心理学について考えていきます!

ポリグロット(polyglot)が実践している10個の習慣

はじめに

アルファベットの写真

今回は、language mentorとして活躍しているLýdia Machová氏の講義から「ポリグロット(polyglot)が実践している10個の習慣」を紹介していきます。今回の動画はPolyglot Gathering2017年に収録されました。

 

www.languagementoring.com

 

ポリグロット(polyglot)という言葉はご存知でしょうか。ポリグロット(polyglot)は複数の言語を操れる人を指します。バイリンガル以上はマルチリンガルと呼ばれることも多いようですが、ポリグロットは語源が違うようです。マルチリンガールさんがそこらへんを説明しています。参考にどうぞ。

 

www.multilingirl.com

 

Polyglot Gatheringとは

「Polyglot Gathering」は世界中のポリグロットが集まるイベントです。コンファレンスや講義をはじめ、参加者が交流できるイベントが用意されています。唯一の参加資格は、母国語を話せることです。複数の言語を話せなくても参加できます。最大の魅力は、語学学習の意識の高い人と出会うことができることでしょう。

 

2013 ブダペスト(ハンガリー)

2014~2016  ベルリン(ドイツ)

2017~2019ブラチスラヴァ(スロバキア)

 

2013年のブタペストから始まり、6年目をむかえています。下記の動画で参加者の声を聞くことができます。

 

www.youtube.com

 

いつか私も参加したいイベントです。その「Polyglot Gathering 2017」でLýdia Machová氏が登場します。

 

 

ポリグロット(polyglot)が実践している10個の習慣

www.youtube.com

 

ここからは、彼女の講義の10個の習慣を紹介してきます。私の外国語学習の経験も踏まえて習慣の是非を考えていこうと思います。

 

彼女は冒頭で数人のポリグロットを紹介します。

 

Benny Lewis

www.fluentin3months.com


Speak from one day:

最低限のフレーズを覚えて、旅行で実践。トライ&エラーを通じて、英会話力をつけるメソッド


Steve Kaufmann

www.thelinguist.com


First input and speaking:
すぐにスピーキングするのではなく、大量のインプットとリーディングを経て会話の練習をするメソッド

 
Lucas Rafael Bighetti Pereira

languageboost.biz


Language boost:

頻出の500語を例文と一緒に覚える→その例文を実際に使って「使える単語」を増やしていくメソッド

 

Babriel Wyner

fluent-forever.com


Flash card no translation:
フラッシュカードを使って翻訳に頼らずビジュアルや直感で知識を体系付けるメソッド

 

いよいよ本題です。

 

特別な才能はない

「彼らは子供のとき外国語を話せなかった」「いわゆる普通の学校の授業で彼らは上手に外国語を話すことができなかった」もし、彼らに語学を身につける才能があれば、他の生徒よりも習得が早かったはずだと。ほとんど全てのポリグロットは大人になってから努力をして外国語を学習してきた。

私自身も高校時代、英語の成績は悪かったです。大学で学んだフランス語も全然身になっていません。何事にも人より学習の成果が出るのは遅いとすら感じます。要領もどちらかと言えば悪いです。自分には特別な才能がないと思うからこそ、コツコツ学習が必要な外国語の学習に全力を尽くすことができるのかもしれません。

 

自分独自のメソッドをもっている

「You need to develop it yourself」優秀な外国語学習者は自分で独自の学習方法を確立させます。さらに、それぞれ学習する外国語も異なるアプローチで学習します。

私も、3つの外国語を異なるアプローチで学習しています。

○英語: 文法を基礎にインプットを大量にする

○中国語:中国に留学していた経験を活かし、スピーキング重視

スペイン語:英語を活かしスペイン語を勉強

 

大部分を独学で勉強

学校→Expect spoon fed(過保護やあまやかし) →×

Languages cannot be taught they can only be learned

語学学校や教師を否定しているのではなく、彼らにすべてを期待するのは良くないと言っています。「言語は教えられるものではなく、学ばれるもの」という言葉には共感できます。私も学校や語学学校で勉強すると、つい受身になってしまいます。「教えられたことを覚えよう」という意識が強くなってしまいます。

 

自分独自の教材を創る

彼らは既存の教材だけに頼らず、「もっと楽しく勉強するには」「もっと効率よく学ぶためには」という視点をもち、絶えず創意工夫します。

 私も、自分で勉強方法を工夫したり、オリジナルのミニノート教材などを作ると達成感もありますし、なにより楽しいと感じます。自分に合った教材を探し求めるのではなく、「これはこういう風に使ったら役にたつかも」「このページの項目は今の学習に活かせそう」などいつも考えています。

 

言語を一つずつ学習する

一つの言語を習得してから、もう一つの言語を習得する

80%の時間を新しい言語に、20%の時間をキープの時間に

 こちらは賛否両論あるようですが、彼女の意見としては同時に複数の言語を勉強することをオススメしてません。一つの言語を習得し、次の言語へと進んでいく。多くのポリグロットが実践しているスタイルです。80%の時間を新しい言語に、20%の時間をキープの時間にあてていきます。

 

リスニングとスピーキングに時間をかける

リスニングは学校や学校システムで最も軽視されているスキル。

スピーキングより語学スキルを急速に伸ばせるものはない。

最低限の文法の知識はリーディングのスキルはもちろん必要です。ただ、語学スキルを急速に伸ばすには大量のインプットとアウトプットが必要なのは同感できます。私自身もポッドキャストで大量の音声を毎日聴いて、スピーキングの時間を取り入れる。この二つを実践して、語学能力の大きな成長を感じました。

間違いを恐れない

ポリグロットは外に出て、たくさんの失敗をする

それが唯一の語学学習を成功させる方法だと知っているから

 間違いをすることによって、今の自分の「できないこと」と「できること」がはっきりします。それを地道に繰り返すことで、どんな状況でも大きな失敗をしない。いかなる状況でも6割ぐらいは自分の思いを伝えることができるようになると感じています。

 

物事を単純化することができる

知っている言葉で相手に意思を伝えることができる。今もっている知識を活用して相手に思いを伝える。

 英会話の時、とっさに伝えたい単語を忘れることがあります。そんな時、「あの単語なんだっけかな~」と悩んでしまうと会話が途切れてしまいます。ぱっと、頭をきかせて別の単語で説明したり、逆の言葉で否定したり。そういう工夫ができるか、できないかは本当に大事だと思います。

 

国語学習の大きな目的は相手の思いを受け止めて、自分の思いを届けることだと思います。「自分の思いを届ける」ことに神経を研ぎ澄ます。その積み重ねが、コミュニケーション能力の向上につながるはずです。

 

少しずつ頻繁に勉強する

言語学習はスプリントではなく、マラソン

 

学習を楽しむ

楽しく勉強、自分の好きなアプリや教材を活用する

 

 

まとめ

Lýdia Machová氏は語学学習に必要な四つのキーワードも挙げています。

 

4 Pillars of learning language(語学学習の4つの柱)

Fun:     二つのメソッドで迷ったら、楽しい方を選ぶ

Quantity:   大量にインプッドできるマテリアルを選ぶ 映画よりドラマ

Frequency:  少しずつ 頻繁に勉強する

System:      4技能を満遍なくではなく、一つずつ集中して勉強

 

ポリグロットがもっている10個の特徴をすべて真似るのは難しいでしょう。自分が実践できるものをいくつか選び、それらを柱にするのが良いのかもしれません。

 

ところで、語学を学ぶ理由はなんでしょうか。講義の途中で彼女は一つの例を挙げています。彼女のエピソードに大変共感できます。外国で道を歩いているとき、以前は外国語として聞いていた音声が自分の母国語のように聞こえる瞬間がある。その瞬間これまでの語学学習の全ての苦労が報われる。「自由になれた!」

 

もしかしたら、ポリグロットはこの世界を不自由だと感じているのかもしれません。感覚で通じ合ってた世界から言語の発展によって世界が分裂して不自由になった。一つ一つの言語を習得することによって、自由を取り戻そうとしているのでしょうか。