はじめに
今回はリテリング(retelling)を活かしたアウトプット重視英語学習方を紹介していきます。やり方や効果を解説していきます。言語習得にはインプットがもちろん大切ですが、アウトプット仮説によれば、構文への意識など様々な効果が期待されると言われています。その中でもリテリングは要約やパラフレーズを必要とするため、日頃からリテリングを意識する事で、インプット環境も劇的に変化させることが可能で、ぜひ、今後の英語学習の参考にしてみてください。
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参考文献
リテリング
リテリングとは
リテリング(retelling)とは見聞きした事を補助的なメモなどを参照しながら他者に伝える第二言語学習メソッドです。元々のリテリングの定義は下記のように、見聞きした情報を伝達する用語でしたが、第二言語学習の習得を促進する活動としても近年注目されています。
(Story) retelling is post reading or post listening recalls in which readers or listeners tell what they remember orally (Morrow, 1989)
英語指導法におけるストーリー・リテリング(story retelling)は学習者のアウトプットを自然な形で引き出す効果的な読後活動だと言われています。物語を聞いたり読んだりした後, キーワードや絵をヒントに,英文を再構成して自らの言葉で話す活動です。
↓↓ストリー・リテリングの方法が解説されています
リテリングの手順・やり方
具体的なリテリングの手順は指導する教師や対象によって異なりますが、一般的に下記のプロセスで実践されるのが望ましいと考えられています。リテリングの全体像を簡単に紹介し、それに関連するアウトプットメソッドをのちほど詳しく解説していきます。
リテリングの手順
- 内容理解
- 音読による内在化
- 発話情報の選定
- 英語への変換
- 発話
引用:リテリングを活用した英語指導
リテリングの最初のステップは最終的な発話をする素材の内容理解です。大まかな流れとしては本文の要点を理解してから、細部情報を付け加えていきます。大切なのは、本文をどうまとめるかが鍵で、詳細は後述する自律要約法の章で詳しく解説します。その後必要に応じて音読による内在化を経て、発話情報の選定作業に進んでいきます。
だれが | する(です) | だれ・なに | どこ | いつ |
---|---|---|---|---|
警察は | 見つけた | 盗まれた | 家の中で | 昨日 |
The police | found | The stolen ring | In the house | yesterday |
引用:リテリングを活用した英語指導, p49
たとえば意味順に言葉を整理して発話情報を選定する方法もあります。理解した内容の概念を抽出して整理するコンセプットマップも有効で、こちらも後ほど解説していきます。適宜、パラフレーズなどを活用しながら最後の発話のステップの進んでいきます。
リテリングの効果・最新の研究
リテリングは複数の研究で第二言語の習得を促進させると言われています。2018年に日本公立高校でICレコーダーを使用したスピーキング研究が実施されました(引用:リテリングを活用した英語指導,p134)。リテリング指導前後のスピーキングのスコアを測定したところ、生徒の発話語数と文の数が指導後に高まる結果が出ました。
2020年にインドネシアの学生を対象に実施したストーリーリテリングの効果を測る研究では、リテリング指導後にスピーキングの正確性が高まったと報告されています。さらに再話(Retelling)と筆記再生課題(recall)を比較した研究では理解度テストにおけるスコアが筆記再生を行ったグループより再話を行ったグループのほうが高いという結果が出ました。口頭タスクと筆記タスクの違いについては、後ほどモダリティの項目でも説明していきます。
リテリングを取り入れた指導モデル
リテリングは再生と産出に関わり、形式と意味重視の学習を合わせた学習メソッドと考えられています。形式重視のリプロダクションは本文と同じ、あるいはほぼ同じ言語形式で再生されたもので、認知負荷は比較的低いとされています。
↓↓リプロダクションについて解説しています
リテリングを取り入れた指導モデル
形式重視 | 形式+意味重視 | 意味重視 | |
---|---|---|---|
インテイク | アウトプットI | アウトプットII | アウトプットIII |
内在化 | 再生 | 再生+産出 | 産出 |
音読 | リプロダクション | リテリング | 自己表現 |
認知負荷が低い→認知負荷が高い |
引用:リテリングを活用した英語指導, p8
一方で、リテリングは本文の言語形式を自分の言葉に言い換えたもので比較的認知負荷が高い活動と言えます。高度なリテリングを実践するためには関連する英語学習メソッドを理解し、日頃から適切なインプット環境を整える必要があります。
次からの項目では、まずインプットとアウトプットの役割を統合的に考察するために、英語アウトプットの役割及びプロダクションモデルを概観します。それらを前提にリテリングをゴールにインプット(語彙、文、パラグラフ)をどのようにアウトプットに繋げていくかを、様々なアウトプット重視の英語学習法を紹介しながら考えていきます。
英語アウトプットの役割とは
アウトプット仮説
アウトプット仮説とはスウェイン氏が唱えた第二言語習得においてはインプットだけでは十分ではなく、「話す」「書く」といったアウトプットも必要であるという仮説です。スウェイン氏は、クラッシェン氏が唱えた第二言語習得においては理解可能なインプットだけが有効であるとする「インプット仮説」に疑問を投げかけ1985年にアウトプット仮説を提唱しました。
インプット仮説を重視した英語学習方法はこちら↓↓
スウェイン氏は決してインプットの重要性を否定しているわけではなく、それだけでは「不十分」だと主張しました。アウトプット仮説においては、インプットは言語の意味処理において主な役割を果たしているのに対して、アウトプットは言語の構文や形式の算出における正確さに貢献する可能性があると指摘しています。このアウトプットが第二言語習得において果たす役割について、スウェイン氏は下記の3つを挙げています。
- Noticing function(気づき機能)
- Hypothesis-testing function(仮説検証機能)
- Metalinguistic function(メタ言語的機能)
特に言語の構文や形式への気づきはインプット段階では不十分だと言われています。では、具体的にアウトプットにおける構文への意識はどのようなプロセスなのでしょうか。次の項目で見ていきましょう。
統語処理・文法意識化
統語処理とは
りんごという音を聞くと、赤くて丸いフルーツのイメージ(視覚・嗅覚・味覚情報)が頭の中に浮かんでくると思います。頭の中では音と意味(イメージ)が結びついて、単語が理解できます。外国語を勉強する時も単語は音と意味はセットで覚えていると思いますが、実は語彙だけを知っていても、文を読むことはできません。
引用:はじめての認知言語学 第1章認知 p15(図1) を参考に作成
実は文の理解に必要なのは統語処理です。統語とは文法のルールのことなのですが、文法といっても学校で教えられるような文法事項ではありません。単語と単語をつなぐ規則とでも言えるような、文の背後に潜むルールのことです。たとえば、「りんごは赤い」は瞬時に文として理解できても、「赤いをりんごは」だとすぐに文ではないと判断できるのが統語処理です。
↓認知言語学はこちらで解説
言語学の理論では人間の言語能力を3つの要素(統語・意味・音韻)に分けています。統語処理は言語システム自体を構成する三大要素の一つになり、これができないと言語システムが育っていかないと言われています。母語では完全に無意識になっていて見逃されがちですが、正しい処理がされないと単語の羅列が文になっているかどうか判断できません。統語処理への意識は、アウトプットする事でさらに高める事ができます。
文法への意識
スウェイン氏によれば、第二言語を聞いたり読んだりする時には主に名詞や動詞などの内容語(content word)の意味を中心に言語を処理する意味処理(semantic processing)が主に行われると言われています。一方で、話したり書いたりする時には意味処理に加えて、語をどのような順番で並べるのか、時制やアスペクトはどのように言語化すべきかなどの文法的な言語処理が求められるとしています。
↓↓英文法の勉強法はこちら
特に、彼はアウトプットするこによって学習者が文法規則について意識的に考えるようになること(conscious reflection)も重要だと主張しています。詳しい英文法の勉強法は過去記事を参考にしてみてください。
構文プライミング効果と研究
言語産出の基底にあるメカニズムや言語表象の性質を解明することを目的とした心理言語学研究では、統語的プライミング(syntactic priming)効果がよく利用されます。統語的プライミングとは、言語産出プロセスにおいて、直前に処理した文と同じ統語構造パターンを用いる傾向を指します。
引用:Syntactic priming and children’s production and representation of the passive
Pickering and Branigan (1998) の統語表象モデルによると、メンタルレキシコン(心的辞書)内の階層に は統語範疇(syntactic category)、時制・相・数などの素性(feature)、言語単位の結びつきを指定する情報 (combinatorial information)などの統語情報が貯蔵されていると言われています。統語構造は語彙表象の組み合わせによって構成されており、特定の統語構造が繰り返されることにより活性化すると考えられています。
↓↓メンタルレキシコンについてはこちらで解説
統語プライミング効果は実は同一言語だけではなく、別の第二言語でも効果があるとされる研究もあるようです。中国語話者を対象に日本語の読みのスピードにおいて、プライミング効果が発揮されるか実証研究がなされました。L1(中国語の文)を読んだ後に同一の統語構造をもつL2(日本語の文)を読む際に、読むスピードが早まるという結果が出ています。特に、低習熟度群(日本語に慣れていない)において、副詞の読みのスピードは大きいな有意差が出ました。
引用:日本語と中国語䛾 2 言語併用者䛾文理解䛾検証
プロダクションモデル
アウトプットを重視した第二言語学習を行う際に参考になるのがプロダクション・モデルの理論(levelt, 1989)で、人間が言語を算出および理解する際にどのようなプロセスが関わるのかを示したもので、様々な第二言語習得研究において理論的モデルとして使われています。
引用:Connectionist language production: Distributed Representations and the Uniform Information Density Hypothesis
プロダクションモデルでは、話者がメッセージを伝えようとする際に、まず初めに図の左上の概念化装置(conceptualizer)の中で概念が生成され、その下の形式化装置(formulator)に送られます。その中では、中央のレキシコンを参照しながらメッセージが作成されます。出力されたスピーチは最終的に概念化装置にフィードバックされて、モニタリングされます。アウトプットは言語習得を回す重要なプロセスだと言えます。
アウトプット重視の英語学習法
自律要約法
インプット教材の選定
ここからは具体的なアウトプット重視の英語学習法を紹介していきます。自律要約法とは学習者が自ら選んだ素材を読み聞きし、その内容をまとめる学習法です。ここでは教師が学習者の要約をガイドする誘導要約法と区別します。自律要約法のテキストを自分で探す場合は以下の4つの条件を満たす必要があります。やみくもにニュース記事を選んだり、自分のレベルに合わない教材を選んでしまうと効果が低くなってしまいます。
好ましいインプット教材の4つの条件
- 理解可能(comprehensive)
- 関わり(relevant)
- 本物(authentic)
- 文字と音声で構成されている
実は上記の4つは効果的なインプットを促す4項目でもあり、インプットの量と質を高めてくれます。
テキスト読解
テキストを選定したら、その文章全体を把握していきます。トピック・センテンスおよび意味上の重要な語句を拾うように読んでいきます。適宜、スキミング・スキャニングを取り入れていきましょう。詳しいテキスト読解の方法などは下記の記事を参考にしてみてください。
英語リーディングの実践方法はこちら↓↓
語彙には自分が発話で使用できる発表語彙と、内容だけを理解できる受容語彙があります。読みの段階でも次のステップを意識して発表語彙を増やすことをこころがけましょう。たとえば、英英辞典などを使って受容語彙をかみくだき、平易な語句に適宜直していくのも推奨されています。
語彙の種類
- 発表語彙(productive vocabulary)
- 受容語彙(receptive vocabulary)
コンセプトマップと要約
次は自分がチェックしたトピック・センテンスをやキーワードを使って、本文の概要を表すコンセプトマップを作成していきます。概要を表す上で重要な意味をもつ語句をフローチャートのような形式で並べていきます。コンセプトはマップは様々な研究で、ライティング力や思考力を向上させると実証されています。下記のように言葉の結びつきが視覚的に整理されて、次のライティングへスムーズに移行できます。
引用:Improve Your Writing by Using Concept Maps
↓↓コンセプトマップ開発者ジョセフ・D・ノヴァク氏
ディクトグロス
ディクトグロス(Dictogloss)とはWajnryb (1990)が考案した英語学習のメソッドで、リスニングを頼りに英文を復元させるトレーニングです。クラスルームディクテーションと定義されているように、複数の学習者が協力してトレーニングするのも特徴です。
ディクトグロスを実践すると様々な気づきが生まれ、「これはこの使い方で合ってたかな?」というように、英語の意味だけではなく形式にも目が行くようになります。様々な仮説検証や英文の再構成をすることで、浅い理解が深い理解へと転換されます。
引用:The Effect of Dictogloss Technique on Learners’ Writing Improvement in Terms of Writing Coherent Texts
2012年にイランの大学でディクトグロスのライティング力向上の効果を検証する研究が実施されました。明示的な学習(伝統的な指導や練習問題を与える学習)をしたグループと、ディクトグロスを実践した生徒を比較したところ、ディクトグロスを実践したグループのほうが、事後テストの点数はほとんど減少しない結果となりました。
↓↓詳しくはこちらで解説
アウトプット重視の英語指導法
タスクベースの教授法(TBLT)
容量制限仮説
タスクベースの教授法において、Skehanは情報処理の観点から注意資源に着目したタスクの提案を行なっています。。彼の前提では注意は単一資源のプールから成り、容量制限があることが前提になっています。この注意モデルでは認知的要求度の高いタスクは注意資源をより多く消耗してしまうので、言語形式への注意配分が難しくなると言われています。
引用:Task Complexity and Linguistic Complexity: An Exploratory Study
人間の脳の限られた注意量をどのように調整して分配するのかが、英語スピーキングを実践するうえで大切になります。このような調整や選択はトレードオフ仮説と言われています。この理論に基づくと、英語で話す時は話し手の注意量は2段階で分散していきます。
1 段階目では、流暢さと言語形式が分散されてしまいます。経験があると思いますが、英語をすらすらと話そうとすると文法形式への注意がおろそかになってしまい、間違いの数が多くなってしまいます。2段階目では、複雑さと正確さに分散してしまいます。複雑な構文などを使っていざ話そうとすると正確に話すことが難しくなってしまいますので、注意量を調整して話すことが大切になります。
モダリティの違い
タスクの認知的複雑さに関する実証研究の多くは、口頭の言語産出に焦点を当てられていますが、筆記モードへの影響を扱った研究もされているようです。2017年にアメリカの大学で、スペイン語学習者を対象に、口頭タスクと筆記タスクの違いを分析しました。結果としては、筆記タスクの方が誤りが少ない(正確性が高い)結果となりました。迅速なオンラインの言語処理が求められる口頭モードと比較して、より長時間のプランニングやモニタリングが可能な筆記モードは誤りが少なくなると言えるかもしれません。
タスクの繰り返し
同じテーマの反復学習(タスク)の繰り返しは退屈で学習効果が低いと思われるかもしれません。実はタスクを繰り返すことで、第二外国語学習者の流暢さ(1秒ごとの音節の数)が向上する研究成果もあります。
引用:TASK REPETITION AND SECOND LANGUAGE SPEECH PROCESSING
流暢さが向上する要因としては、下記の研究でも明らかになっている概念化への注力の減少があるかもしれません。言語形式(sytax)に意識を向ける余裕が生まれると、流暢さも向上するはずです。初学者は様々なテーマのスピーキングに挑戦するのではなく、同じトピックの課題を繰り返しトレーニングすることが大切です。
センテンス・コンバイニング
センテンスコンバイニング(Sentence-Combining)とは英語の短文を学習者が繋ぎ合わせる訓練法で、元々は母語教育のために考案されたものです。1960年代からアメリカでライティングのカリキュラムに導入され、母語教育でも一定の成果を得ました。
センテンスコンバイニングの種類
- Basic Pattern Exercise(2つの文を接続詞等を使ってつなげる)
- Creative Pattern Exercise(2つの文の因果関係を考えてつなげる)
- Story making Exercise(複数の短文を並び変える)
引用:ライティング指導における Sentence− Combiningに関してより一部編集
センテンスコンバイニングのねらい
- 構造的に複雑な文を産出
- 文章全体の質を高める
- 読解力を高める
- 作業に意欲的に取り組ませる
- 自分で使ったことのない文法構造になれる
引用:ライティング指導における Sentence− Combiningに関してより一部編集
ESL(英語を第二言語として勉強する生徒)生徒を対象にした研究においても、使用する文の語・節の数が増えより複雑な文をかけるようになり、作文の質が高まったという研究も数多くあるようです。
リテリングを活かしたアウトプット重視英語学習法
効果的インプット法
Step1 インプットの環境を作る
Step1ではインプットの環境を作ります。今後のステップのためにも普段から英語をインプットできる環境が必要です。そのためには英語への苦手意識をもたないような工夫やインプットそのもののレベルに注意する必要があります。初学者であれば現在の能力と同じぐらい、少し易しめ(i、i−1)のインプットも効果的だとも言われています。易しめのインプットであれば余裕をもって処理でき、情報の意味だけではなく形式や機能にも目を向けることができます。
↓↓少し易しめの大量インプットには多読がおすすめ
先ほど紹介した、好ましいインプットの4つの条件(理解可能で自分に関わりがあり本物の音声と文字で構成)を満たせるものとしておすすなのが音声サービスのポッドキャストやYoutubeです。ネイティブ話者と日常的につながることができ、自分の好きなジャンルのインプット環境を作ることができます。
Step2 インプットの形を変える
Step2ではインプットされたものをできるだけ発表語彙に変換する段階です。自分が理解したインプット内容を誰かに伝える際に、使える語彙が必要になります。先ほど説明した、難しい表現に出会ったら英英辞典などを使って平易な語句に直すのも大切ですが、日頃から下記の単語の様々な情報を意識してインプットするのも必要です。
単語のさまざまな情報
- 単語のパーツ:接頭語、語幹、派生語など
- 複数の意味:2つ以上の意味がある場合は注意
- 他の語を連想:他の単語との抽象及び包括関係
- 文法的機能:品詞、使用する際の文法的ルール
- 使用する際の注意点:単語のニュアンスなど
難しい語句やフレーズをパラフレージングできるか日頃から意識を持つことが大切です。その主要な目的は読み手にとって、さらにわかりやすくすることです。
パラフレーズ前 | パラフレーズ後 | 意味 |
---|---|---|
Vacate | leave | 立ち退く |
Reveal | show | 表す |
acquire | get | 手に入れる |
eventuate | Happen | 起こる |
In the commencement | At first | 最初は |
feasible | possilble | 可能な |
aptimum | best | 最高の |
Give assistance to | assitst | 援助する |
Reach a decsion | Decide | 決める |
Have a preference to | prefer | 好む |
In the course of time | Soon | やがて |
According to the law | Legally | 合法的に |
In advance of | before | 先立って、前に |
A sufficient amount of | enough | 十分な |
Give an account of | describe | 説明する |
引用:英語エッセイ・ライティング
Step3 インプットを整理する
Step3では自分がチェックしたトピック・センテンスをやキーワードを使って、本文の概要を表すコンセプトマップを作成していきます。概要を表す上で重要な意味をもつ語句をフローチャートのような形式で並べたり、下記のようにキーワードと矢印を使って内容を整理していきます
リテリング式アウトプットフローチャート
なぜリテリング式アウトプット?
リテリング活動には本文の要約や内容の再構築が求められます。実はこられのスキルは多くのスピーキングテストで課せられます。たとえば、日本経済新聞社とピアソン社が共同で実施しているVersant Speaking TestにおいてもでPart Eでストーリーテリングのパートがあります。
Verasantのテスト作成においては、言語学や第二言語習得研究などの知見が活かされています。特に聞く(Listen)と話す(Speak)を合わせた一つのプロセスとして会話を捉えており、テスト項目として、この2つの力を促進するリテリングが選定されたと考えても良いでしょう。私たちは学習者としても安心してリテリングを英語学習へ取り入れることができます。
引用:Versant™ English Test Test Description and Validation Summary
フローチャート
効果的なアウトプットのためにはインプット段階からアウトプットを意識することが大切です。語彙、文、パラグラフを自分なりに変換したり(発表語彙の獲得)、繋げたり(センテンス・コンバイニング)、まとめたり(コンセプトマップ)することで、その後のアウトプット活動をスムーズに実践することができます。
全てのインプットをアウトプットする必要はありませんが、日頃から相手にわかりやすく伝えるためにどんな表現が適切か考えながらパラフレーズすることで、実際の会話でも慌てることなくコミュニケーションができます。頭の中で具体⇔抽象を意識しながら、コンセプットマップを作成する習慣ができれば、物事を相手にわかりやすく伝えることもできます。
ストーリー・リテリングや要約を繰り返す際は、できるだけ同じジャンルのものを選ぶことで、より言語形式(sytax)に意識を向ける余裕が生まれてきます。そして、スピーキングの際には言語形式への余裕が生まれれば、流暢さも向上していきます。
引用
J-Stage | Comparison ofTwo Post-ReadingTasks: Retelling vs. Recall
ResearchGate | Syntactic priming and children’s production and representation of the passive
中国地区英語教 育学会研究紀要』Na25 | ライティング指導における Sentence− Combiningに関して
Semantic Scholar | Task Complexity and Linguistic Complexity: An Exploratory Study
日本言語学会 | 言語間で共有される統語処理:日本語と中国語䛾 2 言語併用者䛾文理解䛾検証 謝 尚琳・木山 幸子・小泉 政利 (東北大学)
Voice of America | Improve Your Writing by Using Concept Maps
Versant™ English Test Test Description and Validation Summary