はじめに
今回は挫折しない洋書で始める多読学習を紹介していきます。洋書は難しいというイメージをもつかもしれませんが、簡単な洋書を選べば誰でも始めることができ、英語学習にはおすすめです。多読学習の方法、洋書の選び方を丁寧に解説していきます。さらに、おすすめGraded Reaersも紹介していきます。Graded Reaersのレベルチェックも付いています。英語力を上げたい、インプットの量を増やしたい方はぜひ読んでください。
✓英字新聞、洋雑誌を読めるようになりたい。
✓英語の勉強ってつまらないと感じる。
✓多読に挑戦したが挫折した経験がある。
一つでも当てはまる方は、ぜひ洋書多読を今日から始めましょう。
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参考文献
多読学習
多読学習とは
多読学習とは、できるだけ辞書を引かずにやさしい本を大量に読むことです。多読学習は長い期間にわたって大量の本(少なくとも年30万語以上)を読むと効果があると言われています。気が向いた時だけ読んだり、短期集中で洋書を読み漁るのは多読学習ではありません。コツコツと様々な洋書を長期間読み続けることが多読学習なのです。
ただし、自分のレベルに合った本を選択しないと挫折する恐れがあります。自分の好きなジャンルの本、有名な文学作品などを安易に選ぶのはよくありません。
多読学習のメリット
- 自分で本のレベルを選べる
- 自分で本の種類を選べる
- 自分でジャンルを選べる
引用:多聴多読マガジン 多読の基礎知識(古川昭夫氏)
一般の英語学習では、決められたテキストを使用してカリキュラムに従っていきます。一方で、多読学習は自分のペースで学習を進めることができます。コツコツと自分の習熟度やレベルに応じて、少しずつ階段を上がっていけば良いのです。ただし、多読学習と平行して最低限の文法学習は必要です。大量のインプットを継続すれば魔法のように英語力が上がるわけではありません。
英文読解との違いは?
英文読解は英語を構造的に読みすすめていきます。主語=S、動詞=Vのように、英文を分析する力を養います。英文読解は自分のレベル(返り読みしないですらすら本文を読むことができる)を一段階上げるためには必要です。多読学習と英文読解を併用して英語学習を進めていきましょう。
精読と多読の違い
分析的な精読 | 多読 | |
---|---|---|
読みの態度 | 日本語に変換して読む | 内容がわかればよい |
読み方 | 返り読みをする | 英語の語順のまま読む |
理解度 | 細部まで100%理解して読む | 7~9割の理解度で読む |
分からない単語 | 辞書を引く | 辞書は引かず類推 |
読みのリズム | 一文一文、止まって読む | 一文ごとに止まらず読む |
引用: 多聴多読マガジン 多読の基礎知識(古川昭夫氏)
日本語に訳さず読む方法
すごく簡単は本から始める
日本語に翻訳して読まないようにするためには、100%内容を理解できる洋書から始めるべきです。多読を始めるとき、少し背伸びをして難しい本で選びがちです。あるいは、自分はハリーポッターがすきだから洋書で読みたい。内容を知っているから、だいたい意味を推測できるとか。それでは、挫折する可能性があるますし、継続してステップアップできません。
洋書を読む時には至極簡単な本を手にとりましょう。第二言語習得研究の第一人者であるスティーヴン・クラッシェン(Stephen D. Krashen)は「i」もしくは「i-1」の教材が最適と言っています。「i」とは現在の英語力と同等、「i-1」とは現在の英語力よりも少しだけやさしめという意味になります。
オススメなのが英語学習者用に作成された段階的な読みもの(Graded Readers)です。後ほど紹介するStarterレベルの本は、イラストが多く短い文章になっているのが特徴です。英文から情景を思い浮かべる手助けにもなります。重要単語が絵やイラストと一緒に覚えることで、記憶が定着します。実際、ネイティブの子供はイラストや写真を使って英単語を脳に定着させています。
やさしい本を大量に読む
英語多読研究会(SSS)は総語数100万語の読書を目標にすることを薦めています。100万語は途方もない数字に思えますが、分速100語で読んだ場合、1日1時間の読書で、半年で100万語を達成できるとSSSは指摘しています。
英語の語順で読む
さきほど説明した英文精読をしてしまうと、返り読みをしてしまいます。文型や文法を一つ一つ精査してしまうと、読解の流れが止まってしまいます。英語のまま理解するということは、英活字を追いながら同時にストーリーを頭の中で思い浮かべることです。
短くてやさしい本を読んでいれば、英語を英語のまま、英語の語順で理解することができます。英語の語順で読めるようになると、英単語のコロケーションの力が付いてきます。「この単語の後ろにはこの単語がつづくはず」と予想を立てることができます。
聞き読み
返り読みをせず、英語の語順で読む作業を体に刷り込むためには、一定のトレーニングが必要になります。ついつい、中学~高校の英語精読の習慣が残ってしまい、返り読みをしてしまいます。それを防ぐために、マンブリング・パラレルリーディングを実践していきましょう。
パラレル・リーディングは、音声と同時に英文を読み上げるトレーニングです。もし、付属のCDがあれば実践することをおすすめします。マンブリングは、つぶやくように「ぶつぶつ」と本文を読むトレーニングになります。よく使われる英語表現や構文を吸収できるメリットもあります。
↓↓こちらで詳しく説明しています
多読の効果
- Develops learner autonomy(学習者の自立性を養う)
- Offers Comprehensible Input(包括的なインプット)
- Enhances general language competence(言語能力の強化)
- Helps develop general, world knowledge(語彙知識の増強)
- Extends, consolidates and sustains vocabulary growth(語彙知識の維持)
- Helps improve writing(ライティング力の向上)
- Creates and sustains motivation to read more(英語学習のモチベーション維持)
引用:British Council
British Councilがまとめた報告書では、多読(extensive reading)には様々な効果があると指摘されています。インプットやアウトプットに有効なだけではなく、英語学習者のモチベーションも高める効果が期待されるようです。
語彙数 | 100万語で語彙が繰り返される回数 | 各語彙に出会うまでの単語数 |
---|---|---|
1,000 | 113 | 10,000 |
1,500 | 75 | 13,000 |
2,000 | 56 | 20,000 |
引用:JALT|The Language Learning Benefits of Extensive Reading
頻出の基本単語は、どれぐらいの頻度で洋書に出てくるのか?これは調べた研究結果があります。例えば、1,000語レベルの基本単語は100万語の文章で113回繰り返されます。つまり、1,000語のボキャブラリを忘れないためには10,000語の文章を読む必要があります。
人によって単語を忘れない期間は異なります。覚えたての時は一週間で忘れてしまうかもしれません。したがって、一週間で10,000語の多読をすれば語彙を脳の中に保持することができます。基本語彙が定着している人ならば、一ヶ月で10,000語を多読できるかもしれません。
より多くの基本語彙を覚えたいならば(1,000→1,500→2,000とステップアップしたいならば)、その語彙に比例して多読の量も増やす必要があります。逆に言えば、多読を継続していれば自然と語彙を頭に刷り込むことができます。
洋書について
洋書の種類
一般の洋書
一般の洋書は欧米を中心とした小説やビジネス書が人気となっています。書店の洋書コーナーに行けば、最新の洋書から古典的名作まで揃っているはずです。一般の洋書は上級者向きではありますが、自分の好きなジャンルや作家の作品を選ぶことができます。
紙媒体に限らず、ブログやWebメディアにも視野を広げれればあらゆるジャンルの英文に目を通すことができます。文芸、ミステリ、SF、ビジネス、サイエンスなど娯楽からアカデミックな内容の文書も含まれるでしょう。最終的なゴールはあらゆる洋書を楽しく読めるようになることです。
Leveled Readers(幼児用)
Leveled Readersは英米人の子供向けに作られた読み物です。幼児向けということで内容は簡単ですが、英語独特の表現が多かったり、語彙レベルが高いなど注意も必要です。ネイティブの表現を勉強できたり、英米人の教育方針を知ることができるなどメリットもあります。英米の幼児教育に興味ある方にもおすすめです。
ただし、初心者にはハードルが高いのでおすすめしません。内容が簡単そうに見えても、いざ読んでみると分からないという恐れもあります。オススメなのは、次に紹介するGraded Readersです。
Graded Readers(英語学習者用)
Graded Readersは英語学習者用に作成された段階的な読み物です。Graded Readersの良いところは文法や語彙の制限をしっかり守って作られているところです。英語初学者も安心して読み進めることができます。Graded Readersは、学術団体や出版社のOxford、Pearson、Cambridge等から出版されています。後ほどオススメのシリーズを紹介していきます。
読みやすさの指標
セファール(CEFR)
洋書を選ぶ前に、ヨーロッパの共通言語の枠組みを知る必要があります。なぜなら、各社が出版しているGraded Readersには必ず、セファールのレベルが記載されているからです。英語初心者の人には今は必要がないかもしれませんが、将来必要になるはずです。セファールは英語に限らず、他のヨーロッパ言語にも応用することができ、グローバルな指標と言ってよいでしょう。
引用:ケンブリッジ:ヨーロッパ言語共通参照枠 (CEFR) について
文部科学省が作成したCEFRと各検定試験の対照表には、日本でも馴染みのある英語検定やTOEICが記載されています。すでに下記の検定に合格のある人は、自分でレベルチェックをすることが可能です。
引用:文部科学省、各資格・検定試験とCEFRとの対照表
読みやすさレベル(YL)
YLは日本人学習者に限定して、本の読みやすさを0.0~9.5まで数値化した指標です。欧米人の付ける難易度と日本人が学習者が感じる難易度は言語体系が異なるため、ギャップがあります。そこでYL(Yomiyasusa Level)が考案されました。
レベル | YL | 語彙 | 総語数 |
---|---|---|---|
0 | 0.0~ | ~250 | ~1,500 |
1 | 0.8~ | ~500 | ~3,000 |
2 | 1.4~ | ~800 | ~5,000 |
3 | 2.8~ | ~1,300 | ~10,000 |
4 | 3.4~ | ~2,000 | |
5 | 5~ | ~2,800 | |
6 | 5.5~ | ~3,000 |
引用:英語多読研究会のHPを参考にして作成
多読が停滞してしまう時期はいくつかありますが、「YL2 の壁」が一番乗り越えるのが難しいようです。
多読が停滞することが多いのは、YL0.6 の壁、 YL2 の壁、YL3 の壁です。
引用:多聴多読マガジン
「YL2 の壁」の壁を越えるためには、易しめ・難しめのレベルを併用しながら興味がある本を使ってモチベーションを保つことが必要なようです。
0-1.6 程度のよりやさしい本を大量に読む
0-2.5 程度の自分の興味にあった本を何とか読む
YL2 の本と、YL1 の本を交互に読む
引用:多聴多読マガジン
中級レベル(~YL3)がとりあえずに目標にして、1日の読書時間を5分から~1時間程度に少しずつ増やしていくことで、目標の100万語に到着できます。
スタートレベル(5万語程度)
- 5分間、集中して英語の本を読み続けられる
- 分速60~80語で読める
- 総語数が500語以下の本(YL0.0)が楽しんで読める
- つい辞書を引きたくなるのを我慢できる
↓
初級レベル(15万語程度)
- 15分間、集中して英語の本を読み続けられる
- 分速80~100語で読める
- 総語数が1000語以下の本(YL0-1程度)が楽しんで読める
- 簡単な英語なら、時々、英語のまま読める
↓
初中級レベル(20-30万語程度)
- 30分間、集中して英語の本を読み続けられる
- 分速100~120語で読める
- 総語数が5000語以下の本(YL1-2)が楽しんで読める
- 日本語に訳さないことが多くなる
↓
中級レベル(50-100万語程度)
- 1時間、集中して英語の本を読み続けられる
- 分速120~150語で読める
- 1万語以下の本(YL2-3)が楽しんで読める
- 日本語に訳さずに読める
引用:多聴多読マガジン
見出し語(HW)
その本が何語によって構成されているかを示した語彙レベルの指標です。総語数と間違いやすいので注意してください。総語数は、「word count」と標記されることが多いようです。HWが200であれば、200種類の単語で書かれているので、かなり物語の展開が限定されます。逆に言えば読みやすく、初心者にはオススメです。
おすすめGraded Readers
これからオススメするGraded Readersには以下の特徴があります。なぜ選定のポイントに挙げたか一つ一つ説明していきます。
- 語彙レベルだけではなく・文法事項との相関表が明示されている
- オリジナルストーリー(書き下ろし小説)が豊富
- CDや音声教材、学習コンテンツなどが手に入る。
語彙レベルだけではなく文法事項との相関表がないと、自分がストレスなく読み進めることができるか分かりません。語彙数が限られていても、高度な文法が使われているかもしれません。英米人の幼児向けに書かれた児童文学は確かに語彙数は少ないですが、表現がこなれていて日本人学習にとって難しいことがあります。
オリジナルストーリーは英語学習者向けに書かれていることが多いので、一般的には読みやすいです。過去の文学作品をレベル別に出版しているものは、内容を予測できるメリットはありますが、ネイティブを惹き付けるために難しめの文法や表現がたくさんでています。
CDや音声コンテンツがあれば、多読だけではなく多聴も併用することができます。さきほど紹介したパラレルリーディング・マンブリングを効果的に実践することができます。インプットの質も目と耳を使って高めることができます。
Pearson English Readers
「Pearson English Readers」は、世界中で販売されている人気のシリーズです。Easystartsからレベル6まで7段階にレベル分けされています。Mother Teresa(マザー・テレサ)などの伝記や「Babe(ベイブ)」などの人気映画のノベライズものが豊富で、音声CD付きの作品もたくさんあります。
「Pearson English Readers」 世界中で、多読授業をはじめ英語副教材として活用されています。各レベルに合わせて200 〜 3,000 語の見出し語(HW)が設定されています。各タイトルの巻末には、内容理解を深める演習問題が掲載されています。
引用: Pearson|Pearson English Readers 文法・テスト相関表
Maisie and the Dolphin
イルかと少女の物語です。文中にある挿絵が一つ一つ作品になっているようで素晴らしく、思わず目を奪われてしまいます。短い作品ですが結末もさすがの内容です。
- 作者:Stephen Rabley
- 総語数:973
- 見出し語(HW):200
- レベル:Easystarts
- YL:0.8
The Pearl Girl
15歳の少女Kateは家族と一緒ににオランダの美術館に行きます。そこである事が起こります。ハラハラする展開であっと言う間に読破できるはずです。
- 作者:Stephen Rabley
- 総語数:949
- 見出し語(HW):200
- レベル:Easystarts
- YL:0.8
THE FIREBOY
話の舞台はクレオパトラの時代の古代エジプト。そこで暮らす少年Hapuは、父親の病気を治すためにある行動にでます。平易な文章で読みやすい作品です。
- 作者:Stephen Rabley
- 総語数:967
- 見出し語(HW):200
- レベル:Easystarts
- YL:0.8
Oxford booksworms・Dominos
オックスフォードの「Graded Readers」は文法事項の対照表があるだけではなく、構文内容がほとんどのコースブックの文法シラバスに 対応しています。そのため、教材と併用しながら多読をすすめることができます。オックスフォードの 「Bookworms」 は全7レベル 、「Dominoes」は全5レベルのラインアップです。
引用:Oxford University Press|dominoes-bookworms
Orca
Jack Griggsと妻のTonyaが船で旅行する際の出来事を綴っています。平易な表現で様々な出来事を描写するのは見事です。冒険モノが好きな人にはおすすめです。
- 作者:Philip Burrows an Mark Foster
- 総語数:1,600
- 見出し語(HW):250
- レベル:Starter
- YL:0.9
Starman
オーストラリアの道を一人でラジオを聴きながら運転していると、道に誰かが座っていわした。奇妙な男と出会い、思わぬ出来事が待っています。
- 作者:Philip Burrows an Mark Foster
- 総語数:1,600
- 見出し語(HW):250
- レベル:Starter
- YL:0.9
Last chance
Mikeは良い写真を撮れないカメラマン。ハワイ火山噴火のスクープが彼にとっての最後のチャンスでしたが、もう一つの大きな出来事が待ってました。
- 作者:Philip Burrows an Mark Foster
- 総語数:1,928
- 見出し語(HW):250
- レベル:Starter
- YL:0.9
The Happy Prince
アイルランドの詩人オスカー・ワイルドの作品。「幸福な王子」の簡易作品となっていますが、限られた語彙数で彼の世界観を見事に描いています。
- 作者:Oscar Wilde
- 総語数:3,137
- 見出し語(HW):250
- レベル:Starter
- YL:1.1
Sheherazade
アラビアン・ナイトの世界観を描いています。内容はやや複雑ですが、美しい挿絵を頼りにすれば、なんとか読み進めることができます。
- 作者:Bill Bowler
- 総語数:3,355
- 見出し語(HW):250
- レベル:Starter
- YL:1.1
The Bottle Imp
日本語版では、びんの小鬼で知られています。スコットランド出身の作家が簡易版を書き下ろしたRobert Louis Stevensonによる作品です。内容は面白いですが、DominoのStarterレベルではかなり難しくなってますので、挑戦したい方はぜひ。
- 作者:Robert Louis Stevenson
- 総語数:3,496
- 見出し語(HW):250
- レベル:Starter
- YL:1.2
Pageturners
Page Turnersは英語学習者が無理なく読めるように書き下ろされた新シリーズです。日本の学習者を熟知したロブ・ウェアリングが監修しています。アクション、ロマンス、ミステリーなどさまざまな人気のジャンルを楽しめます。総語数は役3,000~24,000をカバーしています。
Page Turnersのレベル
引用:Cengageasia|Readers Collection
Foundations Reading Libraryシリーズ
引用:Cengageasia|Readers Collection
Somebody Better
大学生のDannyとJennyは付き合っていましたが、ある日お互いの感情がすれ違いはじめます。「自分にとってぴったりの相手とは?」青春のロマンスを描いた作品です。
- 作者:Julian Thomlinson
- 総語数:3,401
- 見出し語(HW):200
- レベル:Starter
- YL:1.2
Soccer Crazy
Estela Ramosは女子サッカーチームのキャプテンを務めています。ある日元イングランドサッカー代表がコーチに就任しますが、女子サッカーの指導には力を入れません。Estela はどうにか奮闘して、ある賭けにでます。
- 作者:Sue Leather&Julian Thomlinson
- 総語数:3,339
- 見出し語(HW):200
- レベル:Starter
- YL:1.2
Road Trip
主人公のYing Chuは、大好きなバンドThe Jagursを見に行くのを楽しみにしていました。仲間と一緒に会場に向かいますが、トラブルに巻き込まれてしまいます。
- 作者:Sue Leather
- 総語数:3,604
- 見出し語(HW):200
- レベル:Starter
- YL:1.2
洋書多読の始め方
語彙レベルのチェック
まずは自分の語彙レベルをチェックしましょう。全くの初心者の人はStarterレベルの200~250語をマスターしましょう。ちなみに、中学1年で学習する単語は500語程度となっています。
下記のサイトには、CEFRのA1~A2レベルごとに必要な語彙のPDFを閲覧することができます。それぞれの語彙を説明や例文も載っているので学習教材としても活用できます。もちろん、自分の語彙レベルが到達しているかのチェックにも大いに活用できます。
CEFRチェック
語彙レベルをチェックしたら、CEFRのレベルをチェックしましょう。下記のオンラインテストには25の設問が容易されています。正解の数によってA2~C2に振り分けられます。文法や語彙の習熟度だけによってレベル判定がされてしまので、不完全とは言えますが、目安を知ることができます。
正解数 | レベル |
---|---|
6~10 | A2 |
11~12 | A2 |
13~15 | B1 |
16~17 | B1 |
18~19 | B2 |
20~21 | B2 |
22 | C1 |
23~25 | C2 |
引用:Cambridge Englishのサイトを参考に作成
文法事項のチェック
該当レベルのGraded Readersには、読みすすめるために必要な文法事項が記載されています。もしリストにある文法の知識が不十分の場合、そのレベルの本を読むことはおすすめしません。理解不十分な文法に出会ったしまった場合、そのたびに文法書に戻ってしまい英語のまま読むという習慣を培うことができません。
下記のサイトでは、中学で学習する文法事項を学習することができます。単元ごとに細かく分かれているので、自分のペースで学習を進めることが可能です。
該当レベルの洋書を読破
最後は自分の該当したレベルの洋書を読破していきましょう。少し自信が付いてきたら、語彙力をアップしつつ、文法学習を強化して次のレベルに挑戦しましょう。
超初心者向けの多読手順マップ
引用:多聴多読マガジンから一部抜粋して作成
100万語を達成するのは長い道のりですが、まずは1日5分から楽しく続けてみましょう。Graded Readers(Starter level )を活用して、まずは30万語を目指しましょう。総語数が3,000の本を100冊よめば達成できる数字です。
Graded Readers(Starter level )の読破ステップ
- Pearson English Readers
- Bookworms
- Page Turners
- Dominoes
1日5分の洋書多読習慣を付けるのは「Pearson English Readers」がオススメです。分量も少なく簡単すぎると思うかもしれませんが、まず基礎体力を付けましょう。次にオススメなのは、「Bookworms」です。総語数は増えますが、読みやすさレベルを0.9におさえていますので、なんとか読み進めることができるはずです。
多読の基礎体力が付いてきたら、「Page Turners」に進みましょう。読みやすさレベルは1.2に上がりますが、日本の学習者を熟知したロブ・ウェアリングが監修しているの案外読みやすい作品が多くなっています。最後は、「Dominoes」シリーズに挑戦してみましょう。詩人や作家が書き下ろした作品があるので、少し難しく感じた場合はスキップしてもOKです。
(参考)
British Council|Extensive reading: why it is good for our students and for us
JALT|The Language Learning Benefits of Extensive Reading
ケンブリッジ|ヨーロッパ言語共通参照枠 (CEFR) について
Pearson|Pearson English Readers 文法・テスト相関表
Oxford University Press|dominoes-bookworms
Cengageasia|Readers Collection