はじめに
今回は「10%happier」に「デジタルミニマリズム」の著者カル・ニューポートがゲストとして参加。自著のエッセンスを語りました。本書をきっかけに全米では「デジタルミニマリズム」という考え方が流行しているようです。
ミニマリストという考えは昔からありましたが、今回は「デジタル」との向き合い方を真正面から考えています。全米ではSNSに依存している人が多く、社会問題にもなっています。今回のブログでは、「デジタルミニマリズム」もとに、日本人がどうやってデジタルと向き合えばよいのか考えていきます。果たしてどのようなデジタルとの向き合い方が良いのでしょうか。
こちらも参考にどうぞ↓↓
- 10% Happier with Dan Harris
- カル・ニューポート
- デジタルミニマリズムとは
- アメリカのデジタル事情(接触量と距離感)
- 「断捨離」の思想から学ぶ、日本人のデジタルとの向き合い方
10% Happier with Dan Harris
ABCニュースの人気キャスターであるダン・ハリスが自身の瞑想の経験を語ります。様々な著名人、学者といかにメディテーションが幸せを呼び込むかを議論していきます。その他にも、心理学やモチベーション、社会問題など様々なトピックを扱います。
彼はABCニュースのキャスターの仕事を通して身を削るような思いを経験してきました。その時に出会ったのが、瞑想だったそうです。彼は、元々スピリュアルなものは信じていなかったようですが、少しずつ瞑想の効果を体験していきます。そのような「瞑想は魔法のような治療ではないが、10パーセントぐらい幸せにしてくれる」そんなメッセージがポッドキャストから感じられます。
ABCのニュースキャスターということもあり、きれいなアクセントを聞けます。英語学習のシャドーイングの教材としておすすめです。
カル・ニューポート
カル・ニューポートはコンピュータ科学者でありながら作家としても活動しています。SNSのアカウントをもたず、ネットの存在に懐疑的な姿勢を示しています。ソーシャルネットワークを完全に否定するのではなく、「絶対的に必要だという考え」を改めてほしいというメッセージを発信しています。
彼が提唱する大事な概念の一つに「ディープ・ワーク」があります。この言葉は、彼のブログ「Study Hacks」でディープ・ワークという言葉を使って彼の考えを発表したところ、多くのコメントを受け注目されました。
「ディープ・ワーク」とは、自らが本当にやりたい意味あることに集中できる環境を作り、それに没頭すること。これにより、著者自身も家族と過ごす時間を犠牲にせずに研究業績を上げてきたそうです。そこで「ディープ・ワーク」を阻害するソーシャルネットワークを取り上げ、2019年2月に「デジタル・ミニマリズム」を出版しましたた。
デジタルミニマリズムとは
ここからが本題です。いよいよ 彼の肉声から、デジタルミニマリズムの正体を明らかにしていきます。
彼が提唱したのは、オプショナルのデジタル機器を30日かけて整理していくプロジェクトです。つまり、自分にとって必要のないSNSや携帯のアプリ、あるいはデバイスそのものを削ぎ落としていきます。
筆者がこのアイデアに目をつけたきっかけは、様々なデジタル機器に囲まれ嫌気がさしたからだそうです。そのストレスが彼にとって大きな問題だったみたいです。
彼がインタビューで強調したのは、「detox」という言葉を使うのは嫌いで「declutter」(整理整頓)という言葉を使うべきだと。日本では「デトックス」は、体内の毒素を外に排出するという良い響きがあるかもしれない。しかし、本来「detox」は、アルコールや薬物依存を治療する際に使われる単語です。
彼はデジタルを毒素として捉えるのではなく、整理すべきものとしてみています。自分に必要なものを整理整頓して、それをどう活用するのかが大切だといっています。彼のデジタルへの評価は一見矛盾しているようですが、高いようです。
まとめると、おそらくこんな感じでしょうか。
デジタルミニマリズムは彼の「ディープワーク」を達成する一つの手段。
デジタルに「~するためのもの」という役割を与える。
アメリカのデジタル事情(接触量と距離感)
デジタル2019によれば、アメリカでは95%のインターネットネット普及率があり、
一日の平均使用時は、やく6時間半で日本のおよそ2倍です。
立教大学社会学部メディア社会学科木村教授によれば、日本人は日常生活の延長にデジタルを位置づけているようです。日常の生活の+αという感覚でしかないかもしれません。だから、アメリカほどインターネットの接触量がないのでしょうか。
一方、アメリカではデジタル機器に触れている時間が一日の1/4。SNSでは、ほとんどが実名で利用しています。デジタルが自分の生活の中心にあります。だから、アメリカは本当に必要なデジタルを選び取る必要があるのかもしれません。
デジタルネイティブを国際間で比較してみると、日本人の特徴が見えてくる。「ネット上のフリー百科事典ウィキペディアは、世界に利用者がいて自由に編集ができます。編集の際、ほとんどの言語では7~8割程度が本名を記名しますが、日本語は匿名編集が多く、記名するのは約6割以下です。また、SNSを本名で利用する人はアメリカで約8割のところ、日本では約4割と半数以下。プロフィールの自己開示にも消極的で、知らない相手に個人情報を明かしたくないと思っているのが分かります」
出典:https://www.rikkyo.ac.jp/research/story/mknpps000000uy9a.html
「断捨離」の思想から学ぶ、日本人のデジタルとの向き合い方
断捨離は、ヨガの思考から生まれた東洋の考え方だそうです「もったいない」という固定観念に凝り固まってしまった心を改心するために生まれたそうです。
ずっと使ってないモノを捨てる。そうすることでモノへの執着から離れえることができるそうです。空間ができてくると、心に余裕がでてきて活力が生まれてきます。「空間をどうしたいのか?」という気持ちと同時に「自分はどうありたいのか」を考えることができるようになると思います。
モノを減らすことによって心が豊かになる。モノと距離感を置くことによって、自分の生き方を改めて考える。このような考えのほうが日本人に合っているような気がします。
豊かになった心の中に、自分が大切にしたいことが見えてきます。それを実行するために、もしデジタルがそれを支援してくれるなら活用すれば良い。日常生活の延長にデジタルを位置づけている日本人であれば、以下のステップが良いのはないでしょうか。
断捨離
↓
「自分はどうありたいのか」
もし、デジタルがその目標達成を支援するならば
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デジタルミニマリズム実践
↓
デジタルに「~するためのもの」という役割を与える
When「いつ」How「どのように」使うのかはっきりさせる。