「苦手な人を思い通りに動かす」NYタイムズベストセラー作家 グレッチェン・ルービン(GRETCHEN RUBIN) の幸せの見つけ方

はじめに

苦手な人を思い通りに動かす

今回は、「苦手な人を思い通りに動かす」NYタイムズベストセラー作家 グレッチェン・ルービン(GRETCHEN RUBIN) の幸せの見つけ方について考えていきます。グレッチェン・ルービンは大好きな作家の一人で、彼女の文章・声から日々元気をもらっています。

 

「苦手な人を思い通りに動かす」は、彼女がすでに出版した「The four tendencies」の邦訳版です。日本で今年の7月に発売されました。書店で彼女の本を見つけ、改めて彼女の幸せの見つけ方について再考したくなりました。

 

レッチェン・ルービン(GRETCHEN RUBIN)とは

レッチェン・ルービンはアメリカのカンザスシティで育ち、法律家の父の影響もあり、法律の道を進みます。イエール大学で法学の学士号を取得し、法律家としてキャリアをスタート。アメリカ初の女性連邦最高裁判事となったサンドラ・デイ・オコーナーの書記官を務めていたときに、自分がなりたい職業は作家だと気づいたそうです。

 

www.lifehacker.jp

 

その後、彼女は数々のベストセラー書を世に送り出しています。作品は累計350万部突破し、その幸せや普遍的なテーマのおかげで、30カ国以上に翻訳されています。

 

主な著書

「The Happiness Project」(2009)

「Better Than Before」(2015)

「The Four Tendencies」(2017)

「Outer Order, Inner Calm」(2019)

 

彼女のポッドキャスト「Happier with Gretchen Rubin」では妹のElizabeth と良い習慣や幸せについて議論。2015年にはiTuneのベストポッドキャストにノミネート。

 

Happier with Gretchen Rubin

Happier with Gretchen Rubin

  • Gretchen Rubin / The Onward Project
  • Health & Fitness
  • USD 0

podcasts.apple.com

 

 こちらでも紹介しました↓↓

www.sunafuki.com

 

Happiness Project

Happiness Project

レッチェン・ルービンの気づき

彼女の考え方は、

全ての人に当てはまる幸せはない。

万能な幸せの科学はないと訴えます。

 

彼女にはある疑念がありました。

こういう習慣を付ければ幸せになる。

幸福度が10パーセント上がるとか。

そういった話をよく聞きます。

 

でも、その法則が私にもあてはまるかと

レッチェンは疑問に思います。

 

様々な体験談は有益かもしれません。

だけど、それが私にとっても有益だとは限りません。

 

啓蒙書やモチベーションアップの本はどうでしょう? 

 

聞こえはいいが実際は実践するのが難しかったり、

自分に正直になれなかったり。

書籍を読んでいると自分も幸せになったような気分。

美しいリズミカルな文から離れると、

いつもと同じ自分に出会ってしまう。

 

どこか、幸せは誰かが運んでくれるもの。

他人が幸せになる方法を教えてくれる。

それは大きな間違いだったかもしれない。

 

自分にとっての幸せというものをあまり意識せず

生きてきたのではないだろうか? 

 

今の生活にすごい不満があるわけではないけれど、

「ものすごく幸せだ!」という感じもない。

 

その原因は、

何がどのような状態なら自分は幸せなのか

それをきちんと認識していなかったから。

 

自分を幸せにするのは自分しかいない。

 

自分の行動を見つめ直し、

何が自分を幸せにするのか。

自分は何が嫌なのか。

それを徹底的に分析していきます。

 

一生懸命考えて、果敢に行動し、見事に失敗する

必死に悩み上手くいったと思ったら、大きな壁。

 

Happiness Projectは、

1人の女性のリアルな「人生改造計画」です。

 

Happiness Project始動

ある日「私はもっと幸せになりたい!」と考えた著者グレッチェン・ルービンの、毎日の自分に小さな変化を起こすハッピープロジェクト。できないことは変えずに、できることだけ変えていまよりもっと豊かで幸福な人生を送るための、人生改造大作戦。

 

レッチェン・ルービンは、まずは自分の生活を見つめ直しました。自分の生活をどうやって幸せにすれば良いのか徹底的に向き合って、赤裸々に自分をさらけ出します。

 

一ヵ月ごとのスローガンを作成しました。

 

1月 エネルギッシュになる

2月 愛情を思い出す

3月 高みを目指す

4月 場を和ませる

5月 真面目に遊ぶ

6月 友人との時間をつくる

7月 お金で幸せを手に入れる

8月 天国について考える

9月 好きなことに夢中になる

10月 一瞬一瞬を心に留める

11月 満足する心を持つ

12月 プロジェクトの総仕上げ

 

たとえば、1月のスローガンを元に、具体的な行動計画を立てます。「早起きをする」「運動をする」など。彼女は全ての目標を公表し、その過程や結果を細かく報告しています。

 

有益なのは、「幸せ」になるための学術的ヒントではなく、彼女の「幸せ」へのアプローチの仕方。本書は、自己啓発書のエッセンスを取り入れながら、彼女の成長記を赤裸々に綴ったノンフィクション書に仕上がっています。

 

自分が主人公

読者は思います。彼女も私と同じような苦労をして、同じように思考をしている。でも、彼女は自分の生活をより良くするために、いろんなことに挑戦して、失敗して、それを繰り返している。読んでいると、自分も似たような経験や思いをしている。

 

自分も彼女のようにもっと自分を大切にして、回りの人をもっと大切にしよう。日常の少しの努力で、いろんなことが変わっていく。人生って実は、小さな習慣と決断の積み重ねで大きく変えることができるかもしれない。自分が主人公で、誰のモデルなんていらない。自分の幸せの定義は自分でがむしゃらに見つけるのだ。

 

私たちのHappiness Project

このプロジェクトは、GRETCHENだけが実践できるものではありません。私たち一人一人が実行に移せるプロジェクトです。

 

こちらにプロジェクトの概要↓↓

gretchenrubin.com

 

まずは、自分への質問に答えていきます。

 

1 自分を幸せにしてくれるものは何か

2 自分を嫌な気持ちにさせるものは

3 自分がこれは正しいと思うものは?

4 どうやって自分が成長できる環境は作るのか?

 

答え

1 ボランティアをして感謝されること。家族や友人と過ごす時間

2 考えを整理できないこと。

3 健康でいること。感謝をすること。自分と向き合うこと。

 

自分の答えをもとに、毎日続けられる行動指針を立てます。

 

1 一日一善。一週間に一度家族に連絡する。

2 毎日自分の気持ちや考えをノートにまとめる。

3 週末は運動する。感謝を伝える。自分の正直な気持ちを書き留める。

 

これらを実行して、自分の気持ちを分析していきます。もしも、実行できないようなものがあったら、行動指針を見直します。グループやコミュニティを作って、意見を交換したり、ボランティアなどを一緒に実行するのも良いようです。

 

www.youtube.com

 

邦訳版はこちら↓↓

The four tendencies

The four tendencies

 

自分が主人公だけれども、自分は一人では生きていけない。自分が他人からどう思われているのかも分からない。自分の好きなもの、嫌いなものはわかったけど、自分はいったいどういう人間なのか。人を分類できるようになったら、もっとより良く生きることができるかもしれない。彼女の 「The four tendencies」 は、彼女がずっと欲しかった人生の指針ではないでしょうか。

 

GRETCHENはあることに気づきました、人々は外的期待と内的期待に様々な反応を示す。その反応の仕方を分類していくと、人間が四つのタイプに分かれます。

 

こちらのテストで自分の傾向が分かります↓↓

quiz.gretchenrubin.com

 

4つの傾向

 

Upholder(アップホルダー。支持者、擁護者の意)

優秀だが融通の利かない「堅物タイプ」

外的期待にも内的期待にも応えられる。

 

Questioner(クエスチョナー。質問者、尋問者の意)

いちいち質問してくる「変わり者タイプ」

外的期待には応えられないが、内的期待には応えられる。

 

Obliger(オブライジャー。世話焼き人、サービスを提供する人の意)

言われたことしかやらない「指示待ちタイプ」

外的期待には応えられるが、内的期待には応えられない。

 

Rebel(レベル。反逆者、反抗者)

何でも自分の思い通りにしたい「わがままタイプ」

外的期待にも内的期待にも応えない。

 

それぞれ強み・弱みを整理すると↓↓

  強み 弱み
U 自発的・誠実・信用できる・丁寧 厳格・自己防衛・硬直的
Q 客観的・公平・自分の心に忠実 周囲から理解されにくい・分析麻痺
O 責任感・協調性 過重労働・燃え尽き症候群
R 独立志向・独自性 非協力・単純作業×・落ち着きなし

 

 GRETCHENはさらに、それぞれの傾向の人にどう向き会えばよいのか、整理しました。弱みを打ち消しながら、強みをいかす工夫が考えられています。

 

Upholder(アップホルダー。支持者、擁護者の意)

・優先順位を示す

・安易に期待の言葉をかけない

・大切にしていることを思いださせる

・大げさすぎる説明をしない

「自発性」をいかす

 

Questioner(クエスチョナー。質問者、尋問者の意)

・お願いごとは「理由」とセットで

・疑問には丁寧に答える

・+αの説明を加える

「問題を発見する力」をいかす

 

Obliger(オブライジャー。世話焼き人、サービスを提供する人の意)

・役割分担を明確に示す

・やりたいことをやる時間を確保してあげる

・大きすぎる目標は設定しない

「責任感の強さ」をいかす

 

Rebel(レベル。反逆者、反抗者)

・選択肢を与える

・頼みごとはしない

・指示をしないで見守る

「独創性」をいかす

 

そうすると見えてくるのが、下記の表になります。

  U Q O R
U 窮屈
Q 価値観共有 疑問解消
O 助け合い 理解 他のサポート
R 試練と学び 相互尊重 Oの操縦 距離感

 

異なったタイプの傾向をもつ人が一緒にいるとき、何が必要なのか? 例えば、アップホルダー(U)とクエスチョナー(Q)は、互いの価値観が似ているので、両者の考えを共有することが大切です。カップルは実はこの組み合わせが多いようです。あるいは、オブライジャー(O)とレベル(R)には、オブライジャーによるレベルの操縦が必要です。レベルのパートナーになるのは、オブライジャーが多いようです。

 

幸せの見つけ方

レッチェン・ルービンの幸せの見つけ方を改めて考えてみると、彼女の力強く真っ直ぐな生き方がみえてきます。法律家としてキャリアをスタートさせて、アメリカ初の女性連邦最高裁判事となったサンドラ・デイ・オコーナーの書記官を務め、周りからは幸せな生き方だと思われていたはずです。でも彼女は自分の内側の声に誠実に向き合い、力強く第二キャリアをスタートさせました

 

万能な幸せの科学の存在を否定し、自分を幸せにするのは自分しかいないという理念ののもと、自分の行動を徹底的に見直します。自分の人生を一生懸命に生きようとする強い意志がそこにはあります。自分の気持ちを敏感に感じ取り、微調整しながら長期間にわたって人生の実験を続けます。一年間というプロジェクトは彼女にとって、幸せとはいえないかもしれません。ただ、幸せな生き方を見つけるために、トライ&エラーという投資が必要だと教えてくれます

 

そのプロジェクトの苦労をさらけ出し、今度は読者やリスナーと謙虚に向き合います。一人一人の思いや苦悩に耳を傾けることで、膨大な人の行動サンプルを獲得していきます。自らの経験と行動サンプルをもとに、ついに彼女は人々の4つの傾向を見つけ出しました。

 

これから、グレッチェンはこの4つの傾向をつかって社会に大いに貢献していくと思います。自分の苦悩を受け止めてくれた読者やリスナーの力になれることを、彼女は心から幸せに感じていると思います