元国語教師が「言語」と「英語」を考えるブログ

「言葉」との向き合い方、 英語学習、スペイン語、中国語、マーケティング、ポジティブ心理学について考えていきます!

NLPとは? わかりやすく丁寧に解説・心理学やコーチングとの違いは?? 

はじめに

NLPの写真今回はコーチングや自己啓発の分野で注目が高まっているNLPをわかりやすく丁寧に解説していきます。NLPは心理学よりも、よりコミュニケーションに重点を置いた学問と言えるでしょう。NLPを土台としてコーチングにも応用することができます。

 

NLPは過去と未来を繋ぎ、今を生きるための学問。今を生きるというのは脳の自動運転をマニュアル運転に変えて、自分がこれまで無意識に言語化を通して作り出された世界を刷新する学問と言えるでしょう。

 

すでに何重にも塗りかさねられた世界を刷新するのは簡単ではありません。無意識にやっていたことを意識的に繰り返すトレーニングも必要になります。自動運転をさせていた脳の仕組みを改めて知る必要もあります。ですが、NLPの中には挫折や失敗という言葉は一切ありません。安心して学習を進めることができます。

 

 

参考文献など

 

www.verywellmind.com

 

nlptrainingconcepts.com

 

 

NLPとは

NLPの起源

NLPの語源は、英語でNeuro Linguistic Programing(ニューロ・リングイスティック・プログラミング) の略。日本語では「神経言語プログラミング」と訳されます。では、NLPの起源はいつだったのか。NLPの誕生は1970年代のアメリカです。カリフォルニア大学で言語学の教授をしていたジョン・グリンダー教授と心理学を研究していたリチャードバンドラー教授によって研究されました。この2人が創始者であり、NLPの生みの親です。

 

実は、当時アメリカはでは、ベトナム戦争で多くの人が心に傷を負っていました。戦争の後遺症に苦しむ帰還兵やその家族のケアが死活問題でした。ベトナム戦争の帰還兵の精神的なケアは、大きな社会問題となっていました。多くの心理療法では、患者がなぜ問題を抱えてしまったのか?患者の原因に焦点をあてるのが主流でした。

 

www.youtube.com

 

www.youtube.com

 

しかし、ジョン・グリンダー教授とリチャードバンドラー教授は全く別のアプローチを探ります。どのように人はN(神経≒五感)、L(言語)、P(思考や行動)を使っているのかを体系的に明らかにしようと、HOW(どのように)の部分を分析します。具体的には、3人のセラピストに着目しました。

 

 

3人は全く異なったアプローチを行うセラピストでしたが、その3人がなぜそのような効果的なセラピー結果をだせるのか?に興味をもちました。彼らのセラピーを撮影して、どのような言葉使い・ジェスチャー・表情などがクライアントに良い影響を与えるのかを体系的にまとめました

 

体系的にまとめられた研究成果はNLPという学問となり、PTSDや恐怖症に苦しむ人々を救うという成果を上げました。誰もが簡単に使えるようになったのも特出すべきところです。その後、治療だけではなくコミュニケーションツールとしても注目され、近年、日本でも学ぶことがブームとなっていて、学ぶ方が急増しています。

 

 

ものごとが言語化されるメカニズムを改めて考える学問

 私達は普段何気なく言葉を操っていますが、それらは全て脳によって実行されています。なぜ何気なく実行されているのでしょうか。それは脳が自動運転で言語化やコミュニケーションをしているからです。

 

つまり、私達は脳にあらゆる行為を任せっきりになっているのです。NLPはその無意識に行われている自動操縦モードに待ったをかけて、マニュアル運転をさせるような学問と言えるでしょう。

 

「N」「L」「P」を使って、ものごとを言語化

f:id:sunafukikun:20200329215335j:plain

では、物事を言語化させるシステムを改めて考えてみましょう。一つ単純な条件を設定してみましょう。一つの写真を見た時に私達はどうやって言語化するのか。例えば、犬の写真を見てみましょう。

 

まずは写真を見ます。その次に、学習された体験・経験からプログラムによって「犬」だと判断します。最後に、言葉として口から「犬」と発します。

 

  • N→五感(視覚)で写真を見る
  • P→体験・経験からすでに作られたプログラム
  • L→言葉として口からだす

 

プログラムは経験や体験によって作られています。同じ「犬」でも、人によって学習された体験や経験は異なります。小さい頃に犬に噛まれて経験があれば、怖い犬として判断されるでしょう。

 

 

私たちの脳の構造

想像と現実の区別を付けられない

実は頭に思い描いている「想像」であろうと「現実」であろうと、脳の同じ神経回路を使って処理されているようです。脳は頻繁に勘違いをしています。好きな人を思い浮かべてにやけたり、明日の遠足が楽しくて興奮したり、ご馳走を創造して涎がたれてりします。何かをイメージすることで、脳に「それが実際に起こった」とか「体験した」という勘違いを起こさせることができます

 

もう一つのメリットは、未来へのリハーサルをすることができます。なりたい姿を強く思い描くことで、脳にインプットされて、無意識にそれに向けて行動することができるのです。目標実現への行動が自然と生まれてきます。

 

意識は複数の情報を捉えるのは苦手

五感の情報を直接処理するのが「意識」です。複数のことを「意識」するのは、脳にとってすごく難しいことです。気になっている人ばかり目がいって、後で振り返って他に誰がいたのか思い出せないことがあるでしょう。

 

あるいは、仕事や勉強しているときに、外の音や匂いがきになって作業が手につくない経験もあるでしょう。それは、外の音や匂いに「意識」が向いている証拠です。気が散ってしまうというネガティブな行為ではなく、あるものに「意識」が向いているだけなのです。

 

~しないは理解できない

脳はイメージするのが主な役割だと考えてみましょう。「~しないで」という命令は「~する」というイメージが強くて上手く処理することができません。「犬をイメージしないでください」という指令は、犬をイメージすることと同じ処理になってしまいます。NLPでは、脳の素直な表現を効果的に利用するためできるだけ肯定文を使っていくようです。

 

 

NLPを学ぶにあたって注意

NLPには失敗という考えはない

NLPには失敗という文字はないようです。すべての行動や習慣には必ず肯定的な意味が存在するようです。それらをフィードバックという形で次につなげていきます

 

必要なリソースは心の中にすでにある

人が変化を起こすことができるリソースはすでに心の中にあります。リソースはありとあらゆるものだと言えます。趣味や特技、小さい頃の経験など。目標や夢を達成するための資質が無いのではなく、それに気づけていないと考えます。

 

無意識にできるまで意識的に繰り返す

NLPを学習するにおいて、「4段階プロセス」という重要な概念があります。無意識にできるまで意識的に学習を繰り返すのが大切です。英語学習に置き換えて考えてみると、英語を意識的に使うのがゴールではありません。最終目標は、実践を何度も積み重ねて無意識に英語を自由に操ることです。NLPをマスターするということは、無意識に各メソッドやプログラムを使いこなすということです

 

www.youtube.com

 

anlp.org

 

その他にもNLPという学問には前提があります。グローバルNLPが掲げる10個の前提を挙げておきます。

 

  1. 他の存在(世界モデル)を尊重する
  2. 地図は領土そのものではない
  3. 体と心はリンクしている
  4. 上手くいかない時は何かを変える
  5. 選択はしたほうが良い
  6. 私達は常に対話している
  7. 対話の意味は何を受け取るか
  8. 失敗はなく学ぶだけ
  9. 行動には前向きな意志が必ずある
  10. 細かく分ければすべて達成可能

 

Have respect for the other person’s model of the world. (We are all unique and experience the world in different ways. Everyone is individual and has their own special way of being).

  

The map is not the territory. (People respond to their ‘map’ of reality, not to reality itself. How people make sense of the world around them is through their senses and from their own personal experience; this means that each individual’s perception of an event is different).

 

Mind and body form a linked system. (Your mental attitude affects your body and your health and, in turn, how you behave).

 

If what you are doing isn’t working, do something else. (Flexibility is the key to success).

 

Choice is better than no choice. (Having options can provide more opportunities for achieving results).

 

We are always communicating. (Even when we remain silent, we are communicating. Non-verbal communication can account for a large proportion of a message).

 

The meaning of your communication is the response you get. (While your intention may be clear to you, it is the other person’s interpretation and response that reflects your effectiveness. NLP teaches you the skills and flexibility to ensure that the message you send equals the message they receive).

 

There is no failure, only feedback. (What seemed like failure can be thought of as success that just stopped too soon. With this understanding, we can stop blaming ourselves and others, find solutions and improve the quality of what we do).

 

Behind every behaviour there is a positive intention. (When we understand that other people have some positive intention in what they say and do (however annoying and negative it may seem to us), it can be easier to stop getting angry and start to move forward).

 

Anything can be accomplished if the task is broken down into small enough steps. (Achievement becomes easier if activities are manageable; NLP can help you learn how to analyse what needs to be done and find ways to be both efficient and effective).

 

NLPの二つの軸

NLPという学問は自分という主体に影響を与えるだけではなく、コミュニケーションをしている相手にも影響を与える学問です。そもそも、NLPに言わせれば真のコミュニケーションは相手になんらかの影響を与えることで完結します。

 

自分自身だけの事を考えてはNLPの学問には入り込むことができません。これから紹介するメソッドも自分自身のことだけではなく「相手にだったらどうやって影響を与えられるのか?」という視点が求められます。

 

 

目の前の人と繋がるために

キャリブレーション

キャリブレーションとは、コミュニケーションする相手の状態を見極めるテクニックです。目の前の人と繋がるために相手をじっくり観察します。ではどうやって観察するのでしょうか?

  

難しいことはしません。私たちの5感のフル活用して相手をじっくりと観察すれば良いのです。五感を研ぎ澄ませて目の前の人にアンテナを立てます。ポイントは、相手の細かい変化を読み取る。口の動き、話のトーン、手の動き、息遣いなどを細かく注意してじっくり見てみましょう。

 

具体的なトレーニング方法としては、友達や家族に「自分の好きな人」を自由に語ってもらいましょう。次に、相手に「自分の苦手な人・嫌いな人」を語ってもらいましょう。相手の二つの表情を比較すると、話し方の特徴や仕草の違いが分かってきます。今後、相手の仕草を観察して「あれ、今日はなんだかいつもと声のトーンが違う」とか少しの変化に気づけるようになったら成功です。

 

 

ペーシング

ペーシングは相手のペースに合わせるテクニックです。相手に似ていると感じさせることで相手に安心感をもたせる技術です。親近感を持たせて次に説明する、ラポールを築くために必要なステップです。ペーシングを実現させるには、ミラーリングとバックトラックが有効です。

 

ミラーリング

ミラーリングとは相手の真似をするテクニックです。鏡のように、そっくり相手の真似をしていきます。相手が目に付きやすい動作や話し方のミラーリングは効果が高いようです。

  • 姿勢(首の傾け方、手や足の組み方)
  • 動作(水を飲む動き、手振りや頷き)
  • 話し方・声の出し方(語調や話のスピード)
バックトラック

バックトラックは、相手の話をオウム返しで返すテクニックです。 相手が言ったキーワードなどをオウム返しで返すことで、「この人は私の話を聞いてくれてる」という安心感を与える効果があります。全く同じ言葉を返答するのではなく、相手の話を要約して返事をするのも効果的です。

 

相手を知り、相手に合わせることが成功したら信頼感(ラポール)が生まれてきます。相手がこちらを信頼してくらたら、いよいよリーディングのステップに進んでいきます。

 

 

リーディング

リーディングは相手を特定の方向に導くテクニックです。NLPにおいて、真のコミュニケーションとは相手に良い影響を与えることです。上手にリーディングしていくには「オープンクエスチョン」を利用します。

 

「オープンクエスチョン」とは、Yes・Noを答えさせる「クローズドクエスチョン」とは逆に答えに幅を持たせる質問です。How(どうだった・どうすれば)の質問を上手く活用して相手の問題や悩みを掘り下げて、一緒に解決させていきます。

 

 

自分から世界を変える

ビリーフ

ビリーフは自分を制限する思い込みをなくすテクニックです。たとえば、「私はいつも失敗してしまう」という思い込みがある時はどうすればよいのでしょうか。自分に問いをかけます。「いつも失敗すると言ってるけど本当なの?」「成功するにはどうすれば良いの?」のように思い込みを打ち消すような質問を投げかけていきます

 

そうすると、「実はいつも失敗ししているわけじゃなかった」という気づきが得られたり、失敗の反対である成功について考えるきっかけを与えてくれます。一方で、良い思い込みについてはどうでしょうか?

 

たとえば、「私は何事も諦めない性格」だと強く思いこんでいることは果たしてよいことでしょうか。もしかしたら本当につらいことにぶち当たったときに、自分は何事も諦めないのがポリシーだからと自分の首を絞めてしまう恐れもあります。思い込みを打ち消すような質問を投げかけましょう。たとえば、「これまで諦めて上手くいったことは無かったの?」必ず一度は諦めて上手くいった経験があるはずです。

 

 

モデリング

モデリングはうまくいっている人の真似をするテクニックです。真似をすることで理想の誰かになりきることができます。

   

  1. 上手にやりたい行動を決める
  2. 上手くいっている人をモデルに選ぶ
  3. 目の前にスクリーンをイメージして上手くいっている人を映す
  4. スクリーンの人を自分に移しかえる
  5. スクリーンに入り自分の体を動かす
  6. モデルから出て将来をイメージする

 

 

ストラテジー

NLPでは、何かを達成するために5感を使う順番をストラテジーと呼びます。私達は毎日無数のパターン化された行動をしています。朝起きて、歯を磨いて、服を着替えてというあらかじめ決められた行動にそって生活しています。私たちはこられの結果だけに目がいってしまいますが、今回はそのプロセスに注目します。

 

行動パターンのプロセスを細かくしていくと、私達は必ず5感を使って行動していることに気づきます。細かく分析する前に、5感を整理します。視覚・聴覚・体感覚に分けて、さらに外部(external)と内部(internal)に細分化します。

 

  • 視覚(Visual)→外部視覚(Ve)、内部視覚(Vi)
  • 聴覚(Auditory)→外部聴覚(Ae)、内部聴覚(Ai)、内部対話(Ad)
  • 体感覚(Kinesthetic)→外部体感覚(Ke)、内部体感覚(Ki)

 

お部屋の掃除をイメージしましょう。部屋が散らかっているけど、大変だからそのままにしようとする行動を分析しましょう。

 

部屋が散らかっている=外部視覚(Ve)

片付けるのは面倒=内部体感覚(Ki)

大変だから今度にしようと自己対話=内部対話(Ad)

片付けをしない

 

片づけをしないという行動パターンを変えるには、プロセスに細分化して視覚、聴覚、体感覚をフル活用してプロセスを塗り変えていきます。

 

部屋が散らかっている=外部視覚(Ve)

きれいになった部屋を想像する=内部視覚(Vi)

きれいな部屋で本を読む気持ちよさを感じる=内部体感覚(Ki)

片付けしようと自己対話=内部対話(Ad)

片付けする 

 

私達はついつい結果ばかりに目がいきがちで、「すぐに結果を変えないと」と焦ってしまいます。そうではなくて、5感をフル活用してプログラムを変えてしまえば良いのです。