元国語教師が「言語」と「英語」を考えるブログ

「言葉」との向き合い方、 英語学習、スペイン語、中国語、マーケティング、ポジティブ心理学について考えていきます!

天才! 成功する人々の法則の著者 マルコム・グラッドウェル氏から学ぶ 人間がもっている5つの本質とは!?

はじめに

人間の本質

今回はティッピング・ポイントの著者マルコム・グラッドウェル氏から人間がもっている驚くべき5つの本質を学んでいきたいと思います。マルコム・グラッドウェル氏はこれまで数々の理論を発表してきました。邦書もたくさん出ていますので、この機会にぜひチェックしてみてください。

 

著作 学べる本質
The Tipping Point 人間はムーブメントを起こせる
Blink 人間は感じ取れる動物
Outliers 生まれつきの天才はいない
David and Goliath すべての人間には勝利の方程式がある
Talking to Strangers 人間は信じやすい動物

 

 

 

マルコム・グラッドウェル氏とは

経歴

1963年イギリスで生まれます。父は数学者、母はセラピスト。カナダ・トロント大学を卒業後、『ワシントン・ポスト』紙のビジネス、サイエンス担当記者を務めました。現在は雑誌 『ニューヨーカー』の人気ライターとして活躍。医学・テクノロジー・社会現象など幅広い分野を執筆。これまでの著書では、いずれもユニークな理論を打ち立てています。彼の著書は全世界で翻訳され、それぞれ世界で200万部超の大ベストセラーになっており、米国では屈指のビジネス書ライターとして認知されています

 

彼のホームページ↓↓

www.gladwellbooks.com

 

主な著書

2000年3月にマーケティングに関する著書「The Tipping Point」を出版し、アメリカで大ヒットとなり、彼の名が全米に知れ渡ります。その後出版した3作はいずれも日本で出版されています。日本では、彼の本はビジネスパーソンを中心に愛読されています。2019年には、最新の作品「Talking to Strangers」を出版しています。今後ますます活躍が期待されます。今回のブログで紹介する作品を並べました↓↓

 

2000年 

「The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference」

(ティッピング・ポイント―いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか)

 

2005年 

「Blink: The Power of Thinking Without Thinking」

(第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい)

 

2008年 

「Outliers: The Story Of Success」

(天才! 成功する人々の法則)

2013年 

「David and Goliath: Underdogs, Misfits, and the Art of Battling Giants」

(逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密)

2019年 

「Talking to Strangers: What We Should Know about the People We Don't Know」

 

 

 

The Tipping Point(人間はムーブメントを起こせる)

ティッピング・ポイントとは

ティッピング・ポイントとは、2000年にマルコム・グラッドウェル氏が発刊した「The Tipping Point: How Little Things Can Make a Big Difference」で提唱された理論です。主にマーケティングの世界で応用される理論で、なぜ特定の商品が急に爆発的に売れるようになるのか説明しました。

 

Tipping Point(ティッピング・ポイント)は直訳すると、臨界点と転換点となります。つまり、ティッピング・ポイントは物事がある一定のポイントを超えると一気に全体に広まっていく際の時期や時点のことを指します。「あるアイディアや流行などが、ラインを越えて一気に流れ出し、火のように広がる劇的瞬間」を引き起こすためには3つの要素が必要になります。

 

アイディアや流行が爆発的に広がるための3つの要素

www.youtube.com

 

イデアや流行が爆発的に広まるためには、「感染を広げる少数者の存在」、「粘りの要素」、「文脈の力」が必要になってきます。

 

1 感染を広げる少数者の存在

2 粘りの要素

3 文脈の力

 

 

「感染」を広げる少数者の存在

 Youtubeの再生回数を増やし登録者が爆発的に広まった事例を元に、ティッピング・ポイントを解説しています。そこには3つの要素があるようです。

 

○コネクター(Connectors):すべての人を知っている・簡単に友達を作れる人

○メイブン(Mavens):物事をよく知っている・人を助けることが好き

○セールスマン(Salespeople):売り方を知っている

 

面白い動画を見たコネクターfacebookなどを通してたくさんの友達に紹介します。動画は一気にに広がっていきます。

 

次に、Mavensは商品・サービスについて一番良く知っている存在なので、「この動画の価値はどこにあるのか?」に答えを出します。ずばり、たくさんの時間をかけずに、たった5分で本の内容を理解できる素晴らしいコンテンツだとユーザーに伝えます。Mavensは価値を提供することで、人を助けることができます。

 

最後に、セールスマンの出番です。彼は物の売り方を熟知しています。どうしたらサービスを購入してくれるのか。Youtube番組の登録者を増やすためには、「金持ちになる方法」動画というレビュー見つけ、それを貼り付けて登録を誘導しました。

 

粘りの要素

特定の情報を消費者の記憶に残すために粘りの要素が必要だと説明しました。しつこく工夫をしてどうやったらお客の脳にサービスや商品がすりこまれるのか考える必要があります。

 

アメリカの子供向け教育番組のセサミストリートも少しの変化によって、認知の度合いが大きく変わりました。タイトルのロゴにかぶるようにキャラクターを配置したとこり、爆発的にテレビの人気が高まりました。消費者の脳に残りやすくなるためにはどうすれば良いのか?小さな変更を地道に繰り返すことが大切だと説きます。

 

文脈の力

感染には文脈の力が大切だと述べています。NY市の犯罪を例に挙げて、ブロークンウィンドウ現象を例に挙げます。壊れた窓が並んでいる街は犯罪率が高くなるようです。

 

なぜなら泥棒は、犯罪を犯しても逮捕されていない人がたくさんといると思い込み、犯罪がどんどん続けるからです。壊れた窓は犯罪を助長させてしまいました。逆に言えば、~しやすい環境やグループという文脈を作れば一定の行動を促すこともできるということです。

 

 

Blink(人間は感じ取れる動物)

少しの情報で本質をつかむ

マルコム・グラッドウェル氏は、物事の本質は全体から見るよりも、輪切りにして観察したほうが案外本質を見抜くことができること発見しました。二つの事例を使って説明しています。

 

夫婦の15年後をたった15分のビデオだけで予測できる研究者がいました。彼は夫婦が発する言葉をデジタル化して、分類していきます。なんと、その夫婦が離婚するか上手く行くかをかなり的確に当てることができます。

 

もう一つの実験では、大学の友達の性格を当てる実験をしました。親しい友人と面識が無い人とどちらが的確に当てることができるのか?結果は驚くべきことに、面識が無い人のほうがより的確に性格を言い当てることができました。実は面識が無い人は、被験者の部屋だけを見て正確を推測していました。

 

二つの事例を通して言いたいことは、時間をたくさんかけたり・全体像を眺めるよりも、輪切りのような少しの情報でも本質を理解できるということです。

 

第1印象は経験と環境から

IAT(潜在連合テスト)をご存知でしょうか? IATテストとは、自分が思っている「心の中」と、実際の「心の中」の乖離を教えてくれるテストです。

 

 こちらでテストを実施することができます↓↓

implicit.harvard.edu

  

ウェブサイトでは、「肌の色」「セクシャリティ」「ジェンダー」「年齢」「国家」「人種」「体重」の項目についてのIATを実施することができます。受験者は画面に表示される単語や画像を「良い」「悪い」のどちらかに振り分けていきます。テストが進むにつれて、単語や写真が組み合わされて判断が徐々に難しくなっていきます。分類をする時の微妙な時間の「ゆらぎ」を測定して、表には出ない心の中の動きを浮き彫りにしようというのがIATの特徴なようです。この実験を通して自分の思いもよらない無意識の差別が浮き彫りになります。無意識の差別にどう対処すれば良いのでしょうか?

 

実は、第一印象(無意識の差別)は経験と環境から創り上げられます。生活を変えることで無意識の差別を変えることができます。たとえばマイノリティと接することである特定の人に対する差別がなくなったり、印象が変わってきます。努力して差別しないように思うだけでは何も変わりません。

 

 

Outliers(生まれつきの天才はいない)

一万時間の法則

マルコム・グラッドウェル氏は数々の偉人を例にあげて、どの分野の天才も一万時間(10時間)におよぶ努力を続けていると指摘しました。その途方もない努力の時間があったからこそ、彼らの才能が開花したのだと。では、どれぐらいの時間が必要になるでしょうしょうか?

 

 90分/日 20年 

180分/日 10年

 

という途方もない時間が必要になります。実は、一万時間の法則は間違いだとも指摘されています。

 

www.lifehacker.jp

 

マルコム・グラッドウェル氏が言いたかったことは、一つの訓練期間として一万時間という数字をもってきたと考えれば良いでしょう。才能×努力で本来もっている力が発揮されることには間違いありません。

 

 マタイ効果

成功する人の要因を紐解くもう一つの理論はマタイ効果と呼ばれるものです。一般的には、条件に恵まれた研究者は優れた業績を挙げることでさらに条件に恵まれるという原理です。これはどういうことでしょうか?

 

たとえば、大学生が発表した論文よりも、教授が発表した論文のほうがより評価されやすいのは想像がつきます。教授にはすでに社会的に広まった信用があるからです。マタイ効果は信用度の違いを強調しているとも言えます。

 

教育的な視点でも考えることができます。早いうちに読解力を獲得するとその後の学力の向上を早めることができるでしょう。同じように小学校に入学しても、読解力が付いていない生徒はあっという間に置いていかれ、どんどん学力の格差は広まってしまいます。

 

 

David and Goliath(すべての人間には勝利の方程式がある)

ダビデゴリアテの戦い

ダビデゴリアテの有名な戦いをご存知でしょうか?当時、イスラエルペリシテ人は戦争をしていました。ペリシテの将軍は、身長が3メートルもある巨人のゴリアテでした。ダビデはまだ若者でしたが、巨人のゴリアテに挑むことを決意します。いよいよ戦いが始まりましたが、思いのよらない結末が待っていました。なんと、ダビデが石投げ器をふるって石を投げると、見事にゴリアテに命中し、ゴリアテはいとも簡単に倒れてしまいました。マルコム・グラッドウェル氏はこれを奇跡の勝利とは考えませんでした。弱者が強者に勝てる戦略があるのです。

 

www.ted.com

 

相手と同じ土俵で戦わない

一つ目は、相手と同じルールやフィールドを競うことをやめることです。ダビデは最新鋭の甲冑や剣をもっていくことを勧められましたが、何度も断りました。確かに、体の強さで競うためには強い防具が必要だったでしょう。ですが、ダビデは自分のやり方に徹っしていたのです。

 

逆境を逆手にとる

強靭な体をもっていない弱みをどうやって強みに変えたのでしょう。まずは自分の体の特徴をしっかりと知り尽くしていました。小柄で俊敏で動きも速いという特徴です。小柄で大きな武器を抱えることができないので剣をもつこともあきらめました。体の身軽さを最大限に活かせる、石投げ器を使って大男を倒したのです。

 

 

Talking to Strangers(人間は信じやすい動物)

www.youtube.com

 

Truth Default Theoryとは

Truth Default Theoryとはそもそも、アラバマ大学のティム・レバイン教授が提唱している理論です。人間が他人と話すとき、怪しい部分が多少あっても相手が話していることを本当だと信じてしまう理論です。

 

timothy-levine.squarespace.com

 

マルコム・グラッドウェル氏はこの理論をアメリカ国内での事件や歴史上の大事件などに当てはめながら大きな過ちにつながる恐れがあると説いています。もし、相手の話が怪しいと思ったら、自分の勘を信じて行動することも大事だとマルコム・グラッドウェル氏は述べています。

 

↓↓こちらも参考になります。

note.com

 

私たちが世界を築けてきた理由

Truth Default Theoryは悪いことだけではありません。ポジティブな側面もあります。私たちが見知らぬ人たちと協力して世界を築いてこれたのは、「私達はお互いに嘘はつかないという了解」があるからだと言います。いちいち相手の事を疑う本質が備わっていたら、コミュニケーションが成り立っていなかったでしょうと。

 

www.youtube.com

 

 

まとめ

私たち一人一人はちっぽけな人間かもしれない。一人では何もできないし、何の変化を起こすこともできないかもしれない。漠然と人間ってどういう存在かと考えていくと私たちの無限の可能性や驚くべき本質を見抜くことができません。

 

だけど人間の歩んできた歴史を振り返ったり、現代の社会に功績を残した人々を観察してみると案外私達はすごい特質をもっているかもしれいと思うことがある。ただし、表面的にざっと見るだけでは「それは一部の天才とか才能のある人の話でしょ」と思い過ごすかもしれない。

 

マルコム・グラッドウェル氏は真剣に人間の誰もが持っているだろう特質を暴きだそうと必死に人間を観察しています。歴史にまで目を向けて、私達が大きなトレンドを作り出したり、直感で心を通い合わせたり、才能を努力と環境で伸ばしたり、弱者が強者を倒したり、互いを信じて社会を作り出してきたことを決して偶然ではなく、必然だと説いてきました。