米で話題沸騰中の 「The Rabbit Effect」とは?  Dr. Kelliが社会に望んでいること

はじめに

ウサギの写真

今回は、アメリカで話題沸騰中の「The Rabbit Effect」という本をご紹介していきます。著者のDr. Kelliは、インタビューや取材など全米で露出が多くなっています。彼女は一体どういう人物なのか?「The Rabbit Effect」がなぜ注目されているのか?最後に彼女のメッセージを紐解いていきます。

 

knowledge.wharton.upenn.edu

 

こちらのインタビューを参考に彼女にせまっていきます。英文のスクリプトもあるのでチェックしてみてください。

 

 

 

Kelli Hardingとは

Kelli Hardingはコロンビア大学のメディカルセンターの助教授をつとめています。米国精神・神経科医委員会のメンバーでもあり、精神医学の専門化です。彼女はまた、アメリ医科大学協会の理事会にも参加して、全米の健康を改善するための活動にも従事しています。また、

 

実は、彼女は長老派教会医療センターの緊急治療室で多くの時間を過ごしてきた経緯があります。その時の患者との交流や様々な経験が、彼女を突き動かしたのかもしれません。彼女のこれまでの実践や論文はニューヨークタイムズを含め、様々なメディアで掲載されています。そして、2019年8月出版された「The Rabbit Effect and Healthier with the Groundbreaking Science of Kindness」は、彼女の研究の集大成です。

 

www.psychologytoday.com

 

 

Rabbit studyとは

「The Rabbit Effect and Healthier with the Groundbreaking Science of Kindness」の作品に入るために、「Rabbit study 」という研究を振り返る必要があります。時代を少しさかのぼって、1987年ある革新的な研究成果がうまれます。なぜそれが、革新的かと言うと、一つのアクシデントによって生まれたからです。

 

研究者、ロバートは高脂肪食が心臓の健康に与える影響を研究していました。彼は、ウサギを使って、その相関関係を調べようとしていました。ですが、困ったことにデータを集計している時に、ある一つのグループだけが特出した健康的な結果が出てしまいました。彼は、なぜそのグループだけ以上に数値が高いのか分かりませんでした。

 

彼は、その異常にに健康だったグループの担当者を観察しました。実は、その担当者はウサギに餌を与えるだけではなく、ウサギを持ち上げたり、触れ合ったり、話しかけていたことに気づきました。彼は、ウサギに愛情を注いでいたのです。

 

研究者のロバートは、これは無視できない重要な研究結果だと思い学術論文で発表しました。健康が社会的な環境に影響されることは当時のパラダイムシフトでした。しかし、他の優れた研究成果同様、この研究の成果は長い間あまり注目されることはありませんでした。

 

「The Rabbit Effect and Healthier with the Groundbreaking Science of Kindness」は、「Rabbit study 」を現代に蘇らせ、人間の健康や生き方を再考のきっかけを与える本なのです。

 

 

The Rabbit Effectとは

I’m going to ask you to forget everything you think You know about health and wellness, and together We’ll open our minds to a new paradigm, a new way of Thinking about how we live and what is means to thrive

 

本の冒頭で、作者はこれまでの健康やより良く生きることの常識や概念を忘れて欲しいと言っています。彼女は、全く新しい生き方の提案をしていきます。

 

これまで、彼女は医学の現場で健康と精神の関係について軽視していたようです。ストレスや孤独がどれほど健康に影響を与えるのか。そこに潜んでいる「隠された要因」と「健康に不可欠なこと」を本書では解説されています。

 

医者は、「タバコは吸っていますか?」「お酒は飲んでいますか?」という問診はしますが、なぜ「最近親切な行いをしましたか?」「親しい人と連絡をとったり、出かけましたか?」という問診しないのだろうか?

 

健康に影響を与える「隠された要因」を自覚すれば、私たちの健康に対する向き合い方も変わるかもしれません。

 

www.youtube.com

 

隠された要因

Dr. Kelliはケース・スタディを使って、各章ごとにそれぞれの要因を解説しています。

 

○深い緊密な関係

○社会的なつながり

○職場

○教育現場

○地域

 

信頼のおける永続的なつながりをもつ友人関係や、社会的な結びつきは「隠された要因」の代表格です。自分のやるべきごとが明確で、それに意義を見出しいているのが仕事。

 

Your purpose in life is to find your purpose and give your whole heart and soul to it.

 

仏陀の言葉は引用して、人生の意義を見つけたら全ての魂が与えられると。

 

こられの要因を事例を交えながら、どういう人が健康に生きて、不健康になっているのか、これまで無視された要因を丁寧に一つずつ綴っています

 

健康に不可欠なこと

彼女が明らかにしたことは、精神(気持ち)と体(健康)はつながっていることです。 彼女は特に、「孤独」に注目しました。

 

“Loneliness is as significant a health risk as well-established factors, such as smoking 15 cigarettes a day, heavy alcohol use, even high blood pressure and obesity.”

 

彼女によると、孤独は二つの味があります。一つは繋がりの数で、もう一つはどのように繋がっているか、どう感じるかです。人ごみの中で、感じるのは後者の孤独の味わい方です。

 

本気で、後者の孤独が健康に与える影響を私たちが真剣に考えることができるのでしょうか?筆者は考えます。

 

 

関係を築くための工夫

nypost.com

Say “hi”(挨拶をする)

New Yorkers have ample opportunity to engage respectfully with others. Chat with the person in the elevator or the cashier at the deli. Make eye contact and say a friendly “good morning.”

まずは挨拶をすることから。エレベーターの中で「おはよう」とか。レジの店員さんに「ありがとう」とか。温かく「おはよう」とアイコンタクトをしながら。私たちの周りにいる人が、自分を気遣ってくれるという安心感があれば、人ごみを見る目が変わるかもしれません

 

Pitch in(援助する)

Look for ways to help others. Hand a homeless person food, volunteer with your church group or offer your daughter’s soccer team an assist. Volunteering helps others and boosts the health of the volunteer.

困っている人を助ける。ボランティアをすることで、社会的な使命を育てていく。自分の居場所を広げていけば活力が沸いてきて、健康的な生活をおくることができます。

 

Build your skills(技術を磨く)

Find something you want to learn and show up. Take a class to advance your career, expand your mind or improve your basketball or knitting skills.

 人にもっと貢献するために自分を磨いていきます。コミュニティ、友人関係、職場でもっと自分が自分らしくいられるために。

 

Dr. Kelliが社会に望んでいること

親切は一方通行ではだめ。相互援助をすることで、私達は互いに助け合い、社会の一員となることができる。私達はウサギと同じように、愛情を注がれたり・大切にされていると感じると健康的に生きることができる。医者を中心に、精神(気持ち)と体(健康)はつながっていること自覚し、社会のあり方の再考を望んでいるのではないでしょうか。