はじめに
アクティブリーディングとは、単語・聴解・音読・確認の5stepを通して、英語を「わかる」から「できる」ことを目指すテキストです。そもそも、アクティブ・リーディングにどのような意味が込められているでしょうか?
アウトプットを意思した能動的なリーディングと解釈できるのではないでしょうか。本書は、アクティブ・リーディングを中核にして英語を多面的にトレーニングできるテキストです。
学習の進め方
Step1重要単語のチェック
本文に入る前に、必ず重要単語を確認します。各単元に12の単語が用意されています。うる覚えではなく、音声を聞いて瞬時に意味を言えるまで訓練します。
Step2聴解で概要をつかむ
step1で学習した重要単語を手掛かりに、本文の内容を音声で推測します。最初は難しいかもしれません。ポイントは本文の冒頭と終わりに神経を集中させることです。テキストにも記載がありますが、完全に本文を理解する必要はありません。
Step3詳細な読解(アクティブ・リーディング)
詳細なリーディングはさらに5つのフェーズに分かれています。
1 ざっくり読み
2 じっくり読み
3 さがし読み
4 文法・構文把握
5 別冊による誤読と解答のチェック
ポイントは、Step3を通して英文の異なる読み方をマスターすることです。ざっくりみは、いわゆる「スキミング」に近いでしょう。じっくり読みと探し読みは「スキャニング」です。読解方法の引き出しが増えるはずです。
Step4音読で英語をintake(←これが一番大切です!)
発音確認音読(発音を確認する音読)
サイト・トランスレーション(意味を伝えることを意識した音読)
センテンス音読(語順どおり理解することを意識した音読)
シンクロ・リーディング(イントネーションを意識して話す音読)
スピード音読(スピードを意識した音読)
「日→英」トランスレーション(日本語を見て英語を話す音読)
リズム・イミテイション(英語らしく話す音読)
Step4だけでもこれだけのトレーニングがあります。音読のトレーニングはつい無目的になりがちです。何を意識して良いのかわかりません。これらのトレーニングが優れている理由は、それぞれの音読で何を意識するのかはっきりしていることです。
発音→語順→イントネーション→スピード→英語らしさを意識して、それぞれのトレーニングを最低5回は繰り返しましょう。
Step5確認
最後は入試形式の問題で総仕上げです。Step4まで着実にこなしていれば、それほど苦労はしないはずです。
上記の5ステップの段階を経ることで、英語の4技能をフル活用し、エッセイが頭に定着していきます。内容理解の下準備、内容を理解、自分のモノにする(intake)、自分で要約するという一連の流れは目新しいものではありません。
ですが、英語でそれをやることがどれだけ難しいことか。そのためにどういうトレーニングをすればよいのか。本書は明確なステップと指針を示してくれます。
音読で英語をintakeする意義
アクティブリーディングのstep1~3は新しい単語を覚えて、本文を詳細まで読み込むステップでした。筆者に言わせれば、ほとんどの予備校や学校はここで終わりなっていると指摘しています。これでは英語を「わかる」ようになっても、「できる」ようにならない。これはどういうことでしょうか。
私も経験がありますが、音読をするといやでも英語が頭に残ります。音読を続けていると、不思議ともっと本文を理解したいと思うようになります。10%本文を理解していないと、音読に気持ちが入らないような感覚です。
本書「アクティブリーディング」では、それを先回りしてじっくりと本文と格闘した後で、無理なく楽しく「音読で英語をintake」できるようになっているのではないでしょうか。楽しく音読が始められる工夫がほどこされています。
文書を読む意義
このテキストを通して文章を読む意義を考えられます。日本語の文章の記事やエッセイでも内容は理解しても、そのほとんどが頭に残っていないと思います。その材料をつかって自分で考え、発表することではじめて頭の中にその情報が残っていくような気がします。その時にはじめて「読むこと」「考えること」が繋がるのではないでしょうか。
「わかる」から「できる」ことを目指す
このテキストは、単に大学受験を突破することや学校で英語の点数を上げるために書かれたものではありません。「英語を読むということは、意味をとることではない。正確に文章の内容をとらえ、意図をよく考え、自ら考えるきっかけにしていこう」という著者のメッセージがあります。
なんとなく文章を理解しただけでは、正確に文章を理解できないですし、筆者の意図も考えることはできません。なんとなく文章を読んでいては、そのエッセイを通して何かを考えるきっかけになりません。すぐに、その文章は頭から消えてしまいます。アクティブに英文を読まなければ、インプットしたものをアウトプットきません。つまり、リーディングとスピーキングが有機的に繋がらないのです。
私の反省
英語はコミュニケーションのツールで相手を理解して、それに対して自分の意見を伝えるツール。そこに文章が介されても結局は同じなのだと。こんなに簡単なことを忘れていたと「はっとした」記憶があります。文章の内容を理解すると同時に、著者の意図を読み取り、それに応答し、自分の意見を述べる。そこまでやってコミュニケーションが成り立つのだと。
英語学習者は必須のテキスト
英語でアウトプットする力を伸ばす一番の近道は、インプットの質を高めることではないでしょうか。本書は、インプットの質を高める方法とインプットとアウトプットをどう結びつけるかを、実践的に示してくれます。本書に出会うまでは、アウトプットが「できた」という感触がわかりませんでした。
本書を一通り学習して、その感触がどのようなものか少しずつわかるようになってきました。たとえば、「相手の話している内容を理解して、それに対して自分の意見を言えた」とか「新聞記事の議題に対して、説得力のある反論ができた」時は、インプットが「できた」という感触があります。「しっかりインプットとして、はじめてアウトプットできるのか!」と当たり前のことかもしれませんが、本書に出会ってよかったです。