【徹底解説】英文読解入門 基本はここだ! 想定のレベルと使い方は?

はじめに

今回は、「英文読解入門基本はここだ!」を徹底解説していきます。入門となっていますが、想定のレベルは意外と高いです。使い方も丁寧に解説していきます。

 

 

英文読解入門基本とは

代々木ゼミナール西きょうじ氏が手がけた英文読解の入門書です。英文読解と言っても、いきなり長文読解を解説するわけではありません。文法の基礎事項を使って、構文をどう解釈するのか、50の比較的短い英文を使って丁寧に解説していきます。

 

0~4までが英文読解をするための基礎知識となります。英文を読む際に気をつける大切なポイントになります。

 

目次

0  品詞の役割を知ろう

1  主語と動詞を発見しよう

2  準動詞と句を理解しよう

3  動詞の型を覚えよう

4  節の役割をつかもう

5  比較文の構造を知ろう

6  倒置を見抜こう

7  同格表現に注意しよう

8  挿入をくくりだそう

9  省略に気づこう

10 共通構文を自然に訳そう

 

重要なポイントを三つ紹介していきます。

 

品詞の役割

英語の文は単語からできていますが、単語はでたらめに並んでいるのではなく、ある一定のルールに従って並んでいるのであり、その並び方を明確に意識できるようになることが、スムーズな英文の読み書きにつながります。

 

日本語と同じように英語の品詞にも、それぞれの役割があります。文中での役割を知らないと、英文をでたらめに解釈してしまいます。それを防ぐために、主要な名詞とその役割を整理する必要があります。

 

形容詞:名詞を修飾する、動詞の補語になる

副詞:名詞以外のもの(部分)を修飾する

 

主語と動詞の発見

英文を正確に読むためには、文の構造をつかむことが必要です。その第一段階として、英文は基本的に主語と動詞を骨格としていることを知り、まずはその発見から始めましょう。

 

品詞の役割を理解できたら、英文の骨組みである主語と動詞を発見しなくてはなりません。闇雲に品詞を整理しても文の幹を見つけることはできません。その際に、注意すべき点が2点あります。

 

① 名詞相当語句も主語になる

② V(動詞)+S(主語)に慣れる

 

1については、動名詞不定詞が主語になることがあるので、注意が必要です。主語の把握というのは一番肝心なことですが、結構難しいことです。文法を一通り学習し終えてから、今一度主語の把握に立ち戻ることが必要です。

 

2については、英語では倒置表現がかなりでてきます。常識的にS(主語)の後にV(動詞が)が来ると思っていると、読解で躓くことがあります。英文では、旧情報から新情報という大原則がありますので、しばしば倒置がおこります。

 

動詞の型を覚える 

品詞の役割を理解して主語と動詞を見つけたら、文の構造を把握しなくてはなりません。英文の基本構造は主語の後に動詞が来て、その後にC(補語)やO(目的語)がくっついてる構造になります。実は、この構造を決めるのが動詞です。どの動詞がどの文型を作るのか整理すれば、英文をすらすら読めるようになります。

 

・SVC

・SVO

・SVOO

・SVOC

 

 例えば、SVCの型をとれる動詞は以下になります。訳出のされ方も覚えておけば、英文読解がぐんと楽になります。

 

SVCの型をとれる動詞

・seem,look,appear 「見たところ、SはC」

・feel,taste,smell,sound「感覚すると、SはC」

・become,groww,get,turn,go,come,fall,run「SはCになる」

・remain,keep,continue,stay,stand「SはCのまま」

・prove,turn out「SがCだとわかる」

・go,come,return,die「SはCの状態になる」

 

想定のレベルや学習の注意点などを以下で紹介していきます。

 

 

想定のレベル

IELTS5.5のスコアを想定しているため、基本的な高校英語の文法は一通り学習を終えているかと思います。不定詞、動名詞、時制などの基本事項は本書を読み進める前に復習することをオススメします。本書は、文法の知識を使って本文をどう読むのか、解釈するのかを丁寧の教えてくれるテキストです。

 

もし、少しでも不安があれば文法書に戻って、自信が付いてきたら本書に戻るのが良いでしょう。文法を使って、具体的に英文をどのように読み進めてよいのか分からない人や、構文をあいまいに解釈することが多い人にはオススメの参考書です。

 

 

構文のとらえかた

本書で学習するのは、構文のとらえかたである。SVO,SVCを基本に主語述語を判別し、修飾関係を明らかにする。準動詞→五文型→節→比較→他の順にポイントをしぼって解説されています。

 

「この単語がこの単語に係っているから~になる」「この単語は形容詞だからで~に訳す」というように、「何となく」ではなく「しっかり」英語を読み進めることができるようになります。

 

 

学習の際の注意点

注意していただきたいのは、本書の学習を通して「しっかり」英語を読み進める癖が付いてはいけません。一見矛盾しているようですが、「しっかり」英語を読もうとすればできるが、それをリーディングでは実践してはいけないということです。

 

50の英文の構文の構造を頭にたたきこみ、自分でそれを再現して説明できるようになるまで定着させていきます。音読を繰り返し英文を声に出しながら、さきほど再現した知識を同時に確認。本文を何度も読み直し復習。英語構文を学習すると、英文を読むスピードが自然と遅くなるかもしれません。だからと言って、英語構文を学ぶべきではないと思います。

 

ただ、その型にこだわりすぎると肝心の英語らしさであったり、瞬発力が失われかねないということです。私のオススメの勉強方は、このテキストを徹底的に頭の中にたたき込み、潜在意識の中に定着させます。そうすることで、自然と無意識に英文を正しく、正確に読めるようになってきます。

 

 

次のステップ

英文読解入門基本を完璧にマスターしたら、姉妹編の『ポレポレ英文読解プロセス50―代々木ゼミ方式』に進むのも良いと思います。しかし、こちらはレベルがかなり高く挫折してしまう可能性もあります。知識としてはどれも構文理解には必要ではあるが、潜在意識の中に定着させるほど甘くはないものもたくさあります。

 

ですので、このテキストの内容まで完璧に定着させる必要は現時点ではないかもしれません。入門編の内容を繰り返し復習し、余裕がある人は姉妹編を見ながら、「こういう知識も必要なのか」「こういう風に理解すれば良いのか」という風に読み物としてとらえれば良いでしょう。

 

 

最後に

構文の学習は、私の経験からすると一番難しいです。というのは、学習の過程で過去の自分を否定しなくてはならないからです。あるいは「なんでこんなことも理解できないのだ!」と自分を責めたくなります。ありのままを受け入れる、こういう風に理解すれば良いのね。そんな風に、素直な気持ちでリラックスして頑張っていただきたいです。